インタビュー 全国簡易郵便局連合会 清水栄之青年部長
簡易局の将来ビジョンの形成について、昨年から会社と全国簡易郵便局連合会の話し合いが始まっている。社会のデジタル化が急速に進む中、簡易局には、どのような役割が期待され、環境整備が必要なのか。清水栄之青年部長(滋賀県・彦根小泉)は「青年部世代が全面的に関わっていくべきだ。若い受託者がどんどん声を上げることが連合会の活性化につながり、共に連合会を盛り上げていくことになる」と力説する。
青年部世代が声を上げよう!
――青年部長を務められる中、感じていらっしゃることは。
清水部長 全簡連の青年部長として2期4年務めてきた。若い世代の問題についてどんなに声を上げても、一人では目的を達成することはできない。全国の多くの会員の皆さまのご支援とご協力はもとより、会社の考えや現状、理念を共有し、何より、それがお客さま、社会全体の要請や要望に資するものでなければならないと骨身に染みて感じている。
――どのような取り組みが今後は重要だと思われますか。
清水部長 例えば、委託手数料にしても、目先の利益だけを追求していては社会に見放されてしまう。連合会・協会の活動も同様に、社会が何を簡易局に求めているのかを真剣に考えていかなければ、結局、本末転倒となる。これからは特に、持続可能な社会をどうすれば形成できるかが全簡連の最も大きな課題として取り組まなければならないと思う。
――受託者となられたきっかけを教えてください。
清水部長 前職ではコンサルタントを長く経験し、10年ほど前に母親が30年近く受託者として務めた後を継ぐ形で、思い切って脱サラをした。サラリーマン時代は数年単位で異動があり、場所も立場も、仕事の内容や相手もコロコロ変わるのが日常だった。簡易局の仕事は長ければ長いほど、お客さまとの関わり合いが深まり、日増しに地域社会に対する責任と自覚を強くしている。
人間誰しも、若い時は自身の欲求から始まり、次に社会に認められたい欲求、そして社会への奉仕へと考えが変わっていくのだと思う。この仕事は特にそういう思いにさせていただける。「郵便局」の看板を掲げて仕事をさせていただくからには、常に全力で取り組まなければと思う。
――簡易局を取り巻く課題については、どのように考えますか。
清水部長 〝簡易局がなくては困る〟という地域にもかかわらず、後継者不在で一時閉局になることは、地域にとっても連合会にとっても、そしてネットワーク維持を大命題とする会社にとっても不幸な問題であり、知恵を出し合って解決しなければならないことだ。
例えば、複数局経営などは受託者にとっても展望ある将来になりうる解決策かもしれない。また、郵便局のデジタル化が会社の大きな指針となっているが、将来像の検討の中で議論し、解決していきたい。特にこれから長く簡易局経営に携わる青年部世代は、全面的に関わっていくべきだ。
若い受託者がどんどん声を上げることが連合会の活性化につながり、共に連合会を盛り上げていくことになる。今年で 50 歳。青年部を卒業する年齢となったが、これからも簡易局受託者としての誇りを持って務めていきたい。