郵便局の公的機能明示を 國定議員初の国会質問
郵政出身の國定勇人衆議院議員が2月16日の予算委員会第2分科会で初の国会質問に立ち、郵便局の機能の明示を求めた。
國定議員 郵便局の機能に地方財政措置を
今川部長 地域の基盤の在り方を継続検討
國定衆議院議員は2月16日の予算委員会第2分科会で「郵便局の有効活用について質問させていただきたい。過疎地域では小学校の統廃合、とりわけ近年は農協の統廃合に伴う公的機関の撤退が進み、残る公的機関は郵便局のみとなっている地域がたくさんあるように感じている。また、農協に関しては、例えば地元の新潟県加茂市七谷地区では、長らく地域住民に愛されていた地域唯一の農協直売所が撤退することが決まってしまい、小売店が地域に全くなくなってしまう状況が現実化している」と地元の現状を報告。
また「そうした中、全国に約2万4000局に及ぶあまねく公平にネットワークが維持されている郵便局が、それぞれの地域住民の『生活を最低限支えていくための基盤機能を明示的に担う必要がある』と思っている。新たな機能を維持するためにも、例えば郵便局における自治体の業務受託、郵便局への無人決済システムを活用した大手コンビニエンスストアの省人化店舗出店にも、例えば『時限的な地方財政措置の創設』といった公的支援を行う必要があると思うが、総務省の見解を伺いたい」とただした。
今川郵政行政部長
総務省の今川拓郎郵政行政部長が「ご指摘の通り、地域に残る公的機関が郵便局のみになる状況は、少子高齢化の進展などで今後も増えていくと考えている。こうした中で、郵便局は地域の〝重要な生活インフラ〟としてさまざまな機能を担っていく可能性がある。例えば、住民票の写しなどの公的証明書の交付事務など自治体の行政事務の受託、郵便局と駅の一体運営、高齢者向けのみまもりサービスの提供、地場産業の支援や災害時の支援など、郵便局ネットワークを活用した地域貢献の取り組みを行っていると承知している」と答えた。
今川部長はさらに「これらの先行的な取り組みを踏まえ、地域住民の生活を支えていく基盤として、全国の郵便局がどのような機能を本格的に担っていくのかは、日本郵便が民間企業であることも考慮し、費用対効果や体制整備も含め、今後検討を深めていく必要がある。総務省として取り組みの全国への展開なども踏まえ、実証実験等の予算も活用しつつ、地域の基盤としての郵便局の在り方について関係者とも連携し、引き続き検討してまいりたい」と意向を示した。
國定議員は「ユニバーサルサービスの維持についても検討いただくことをお願いしたい」と自らの質問を締めくくった。