新春インタビュー 全国郵便局長会 福嶋浩之理事(東京地方会会長)
デジタル化の進展に伴い、一層求められている人の温かみ。地域を基盤とする郵便局ネットワークの新たな価値づくりに懸命に取り組む全国郵便局長会(末武晃会長)の福嶋浩之理事(東京地方会会長/八王子並木町)に伺った。
東京も包括連携にまい進
――昭島市との包括連携協定が実現しましたね。
福嶋理事 八王子市に次ぐ包括連携協定締結は今年度の大きな成果。東京都との包括連携の動きもようやく始まりそうだ。例年、都議会自民党に対し、お客さまの利便性向上につながる施策の実現に向け相談してきた。例えば、不在がちな家庭が多くなっているため都営団地へのはこぽすの設置等。結果としてPUDO(プドー)という共有宅配BOXが置けるようになった。八王子市とも地域の利便性向上につながる施策の実現に向け、包括連携協定締結後の定例の会議をスタートさせた。
――地方会として清掃活動による地域貢献を始めたそうですが。
福嶋理事 全国的には地区会単位で行われていると承知しているが、地方会全体で取り組むのは東京が初めてだと思う。コロナ禍により、局長同士が会議等で直接顔を合わせることも少なくなったが、外での清掃活動であれば三密も避けられる。ビニール手袋等を用意するなど感染対策に留意しながら10月から毎月第二土曜日を定例とし既に3回実施した。
地域がきれいになっただけでなく、直接話ができたことも好評だった。郵便局の文字が入った赤いビブスを着用したポスト清掃も地域から喜ばれている。エリマネ局長だけでなく、単マネの方、社員や夫人会も参加いただけたらありがたい。長期継続していきたい。
――リアルとデジタルを交えた郵便局ネットワークの将来像とは。
福嶋理事 よく言われるDXがキーワードになると思うが、各事業・グループ全体でお客さまの利便性向上が図れるものでなくてはならない。そのためには横断的な思考で現場の意見も一層取り入れて実現していく必要がある。
中山間地等は付加価値を持つことを考えるべきだ。例えば、自治体の包括事務受託や住民サービスのために多機能の郵便局にするなど。また、生鮮食品等も運べる買物用の多機能郵便車(仮称)を窓口時間の弾力化をする等して週1回でも走らせることも提案したい。
集配社員のスマホで道路損傷や不法投棄等の情報を自治体にボタン一つで位置情報と画像を送信できると理想的。リアル×デジタルが成功すれば郵便局の可能性はさらに大きく広がる。