逆風乗り越え、48万2058票 いんどう議員が誕生

2025.08.15

 第27回参議院議員通常選挙が7月20日に投開票され、全国郵便局長会(勝又一明会長)の組織内候補として自民党から初出馬した、いんどう周作候補が48万2058票を獲得し、初当選を果たした。告示前に、郵便局における点呼問題が取りざたされるなどさまざまな逆風を乗り越え、自民党比例代表の中で特定枠を除くと第1位での当選となった。
 全国津々浦々で郵便局長が地道に築き上げた地域の信頼を基とする一票一票の重みに、いんどう候補(新参議院議員)は「全国どこに行っても、地域の暮らしを守る郵便局が確かにあった。〝地域のための郵便局〟を活用し、日本の暮らしを守る社会を実現したい。ありがとうございました」と感謝の思いを込め、決意を表明した。

いんどう議員「郵便局を活用し、地域の暮らしを守る社会に」


 7月20日、港区六本木に設けられた「いんどう周作選挙事務所」では、後援会関係者がテレビの開票速報を静かに見守っていた。地方会向けにライブ配信もされていた会場で午後8時過ぎ、全特相談役のいんどう候補の〝当確〟が報じられると一斉に「わあー」と熱い拍手と歓声が鳴り響いた。

 いんどう候補を囲んで関係者代表らが壇上に上がり、後援会会長の柘植芳文参議院議員(当時)の発声のもとで万歳三唱が晴れやかに繰り返された。郵便局長夫人会の役員から大きな花束が贈られると、いんどう候補は陽子夫人と共に深く頭を下げた後、だるまの開眼が行われた。
 いんどう候補は「ご支援いただいた関係者の方々に長い厳しい戦いに取り組んでいただいた結果、今日がある。選挙戦は景気対策、経済成長、税、社会保障、安全保障等々さまざまな争点があったが、全てが地域の暮らしに直結する。だからこそ地域を守る郵便局がこれからの日本には絶対に必要」と語った。
 また、「多くの支援をいただく中、能登で被災中の70代の老夫婦の方も珠洲市に住民票があるため、片道車で3時間、往復6時間かけて投票に行ってくださったそうだ。お一人お一人の声、思い、願いをしっかりと受け止め、6年間、全身全霊、身を粉にして働きたい」と意欲を示した。
 司会は、鈴木健司郵政政策研究会専務理事が務め、代表者らが祝辞を述べた。

 柘植芳文後援会会長 自民党にとって厳しい選挙戦の中、各地方を回る中、現場の皆さんも大変な苦労をされていた。郵政事業は今後、国民にとってさらに重要なものになっていくだろう。いんどう相談役には長谷川英晴先生と力を合わせてしっかりと郵政を良き方向に導いていただきたい。

 長谷川英晴総務大臣政務官 私といんどう相談役はご勇退される柘植先生の思い描いた志をしっかりと引き継いでいかなければならない。勝利を心から喜び、共に頑張りたい。政治情勢は厳しいが、郵政事業、郵便局が日本という国にとって必要であることは何ら変わりない。

 勝又一明全国郵便局長会会長 前末武晃全特会長から担当を承ってから今、当選確実の瞬間を迎え、感無量。地方会長の皆さんも最後の最後まで旗を振り続けてくれたことに感謝申し上げたい。長谷川先生、いんどう先生を支え、今後は改正法成立等の悲願達成に向けて取り組みたい。

 鍋倉真一元日本郵便社長 旧郵政省出身のいんどう候補を盛り立てたいと私もあちらこちらに電話した。総務省と日本郵政との架け橋、野党との対策もいんどう候補に期待している。

【いんどう候補記者会見】 
 ――今のご心情と、地域と郵便局の関わりについて。
 いんどう候補 「地域から 強く、しなやかな 国づくり」をスローガンに掲げた。安心して暮らせる地域をつくるためには、郵便局、局長の皆さんが地域と一体にもっと動きやすく、前島密翁の「縁の下の力持ちになることを厭うな。人のためによかれと願う心を常に持てよ」の精神を取り戻し、地域を守れる社会を創りたい。『地域の人の、地域の人による、地域のための郵便局』を実現したい。

 ――初の選挙戦で得た気づきや学びは。
 いんどう相談役 選挙の在り方自体が変わり、SNSの脅威は確かにあった。しかし、やはり最後は、地道に地域の人と人とのフェーストゥーフェースの関係をつくっている局長の皆さん方の活動は、生き残っていくと思えた。気づきはそこ。未来永劫、そこは変わらない土台だと思う。

 ――郵便局長や関係者の方々へのメッセージを。どのような気持ちで初登院されますか。
 いんどう候補 地元熊本では街宣車で活動したほか全国を回らせていただいた。どの地域にもポスターが貼ってあり、反応をいただいた。基盤にあるのは日頃から局長の皆さんが地域のために働いている証しだと確信を持てたことが私の財産。お一人お一人の声をしっかりと無にしない決意のもとで初登院に臨みたい。

 ――郵政関連法改正法案成立への本格的な戦いに向けて(郵湧新報)。
 いんどう相談役 柘植先生、長谷川先生、山口俊一郵活連会長を中心にやっていただいてきたことで、すでにレールは引かれている。これから各党で合意した上で早期の成立を目指したい。

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