「ぽすちょこ便」第2弾 奈良市で商流づくり

2023.12.29

 山形県鶴岡市で始まり、好評の地域内配送サービス「ぽすちょこ便」を用いて地域物産を流通させる奈良市の 実証実験が、11月20日から同市内でスタートした(12月22日まで)。(写真は月ヶ瀬局に届いた新鮮野菜を配達車両の空きスペースに載せて市街地に向けて出発)

地産地消に貢献、新鮮野菜を市街地へ

 日本郵便と同市、(一社)Local Coop大和高原の3者が連携し、市内の飲食店からの発注を受けたLocal Coop大和高原が 、「月ヶ瀬温泉ふれあい市場」で野菜等を調達し、月ヶ瀬局(今井吉則局長)で郵便車両の空きスペースに積載。市街地の局に届け、飲食店の方が商品代と運送料(1ケースで税込み300円)相当分 を支払って受け取り、料理として提供する流れだ。
 
(左)生産者の方が市場に野菜を入荷し、(右)オーダーに応じて調達
 

(左)大根の葉を落として準備し、(右)月ヶ瀬局に運び入れ

波多野局経由で市街局へ

 
(左)奈良小川町局で杉田修治局長㊨から久保田オーナーシェフに新鮮野菜(右)を手渡す

 
大根のフライとシイタケのフリッターが出来上がり。味は絶品
 
 野菜ダイニング菜宴の久保田耕基オーナーシェフ(写真上)は「あまり 流通していない月ヶ瀬の野菜を提供できるのは喜び。今後もぜひ続けてほしい」とニッコリ。
 日本郵政事業共創部から奈良市に出向している光保謙治さんは「月ヶ瀬は兼業農家の方が多く、ほとんどJAに出荷していないため販路が限られていたが、野菜は驚くほど大きく新鮮で安価。何より、ご高齢の生産者さんが市場に野菜を元気に持ち運ばれ、楽しそうに話されている姿を見るのは本当にうれしい。本格実施を進めたい」と意欲を燃やす。
 月ヶ瀬地域では今年2月、「共助型買物サービス」の実証実験も行われた。ぽすちょこ便と掛け合わせ、地域の存続・発展に向けて郵便局の存在価値はますます高まっている。
 日本郵便ロジスティクス事業部の宮原悠多係長は「ぽすちょこ便は各地のニーズに合わせた使い方ができるので可能性は広がる。次 の展開として複数地域を検討中だ」と展望する。(写真下は月ヶ瀬温泉ふれあい市場