支所で扱う全業務の役目を-民営化意見募集
郵政民営化委員会(山内弘隆委員長)が民営化3年ごとの検証に向けて、7月26日から8月24日に行った意見募集に25件の意見が寄せられた。郵政関係では全国郵便局長会(末武晃会長)と日本郵政グループ労働組合(石川幸德委員長)の2団体。金融機関は全国地方銀行協会(五島久会長)等の8団体から、国際関係は在日米国商工会議所(オム・プラカシュ会頭)の1団体、その他個人からも1件あった。
果実問われる民営化検証
取材によると、全国郵便局長会の意見として、「自治体事務の受託」について、総務省が5月に開催した情報通信審議会郵政政策部会の資料「郵便局に求める地域貢献に関するアンケート調査結果」を参考に、郵便局への委託を行わない理由を「委託するための諸費用が厳しい」「委託後の維持費用が厳しい」「委託できる業務とできない業務があり、利用者が混乱する」と答える自治体が多かったことを説明。今後、自治体への財政措置も含む支援措置の拡大等の検討を要望している。
また、前通常国会で「郵便局事務取扱法」の改正により、マイナンバーカードが申請から受け取りまで手続きを指定された郵便局窓口で完結できるようになったことを強調。本人確認について、郵便局と自治体をタブレットでつなぐことにより住民の方が役場に出向かなくても可能となり、利便性が大きく向上したことを指摘した。
地方公務員でなければできない地方業務について、DXの活用含めた解決策を検討いただき、地域住民の利便性向上のために、支所で扱う全業務を郵便局で扱えるよう法改正等の実施も求めている。
一方、郵便局現場が近年、昼休みが確保できず、昼食が15~17時近くになることが常態化し、休憩もなかなか取得できない局が非常に増えている問題の解決を要望。本社や支社の管理部門の要員は削減されないまま、実働部隊の郵便局要員が大幅に削減されている状況打開に向けて、例えば、本社や支社の要員を緊急措置として郵便局に配属するなどで要員不足を解決いただきたい等の対応策を切望している。
また、南海トラフなどの大地震の危険性が叫ばれる中、耐震性能不足の局が多数あることから、利用者の方々や局長・社員の命の危険を取り除く取り組みが急務なこと、早急な建て替えや耐震補強等について会社に手を打っていただきたいことも求めている。