インタビュー 城内実衆議院議員
――郵便局の自治体等事務受託は、じわじわと広がってきましたが、今後どのような施策が必要と思われますか。
城内議員 約2万4000局のネットワークは公共財であり、日本の宝。地方の活性化、住民サービス拠点、医療福祉支援の役割など今、日本が直面する課題を解決する重要な拠点になり得る可能性を持つ。
逆に言えば、郵便局以外の組織では、その役割を果たせない。法律の中でも「郵政事業が公共サービスに資する」と明記されており、利活用は公共サービス提供と直結するものだと私も思っている。
郵便局活用は公共サービスに直結
総務省が実施したアンケートによると、自治体受託事務が進まない理由は費用の問題が一番多かったようだ。〝誰一人取り残さない〟社会のためにある公共サービスは、おそらく日本郵政グループの企業努力だけでは難しい。
郵便局ネットワークの利活用の在り方を郵政グループに丸投げするのではなく、今一度利活用に向けて、国として自治体と共に財政措置含めた、さらなる関与を強めていくべきではないか。
――改正郵政民営化法を見直そうとの動きが水面下で出てきましたが、どうお感じになりますか。
城内議員 私自身も郵政造反組と言われた一人。民営化が日本の活性化につながると断行されて16年を経た結果、利益を上げるためにサービスを低下せざるを得ないこともあったように見える。
一度は見直されたものの、今のままでは利益の上がらない公共サービスの提供を求め続けるのは厳しい。郵便局のユニバーサルサービス提供義務を生かすために、抜本改革が必要だと思う。
――デジタル田園都市国家構想の中で、郵便局をもっと生かせる形はあるとお考えですか。
城内議員 デジタル田園都市国家構想は「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を目指している。郵便局は「全国どこでも誰もが便利に使える国民共有の生活インフラ」だ。国家構想実現において、郵便局を活用しない手はない。