インタビュー JPコミュニケーションズ 渡邊伸司社長
全国津々浦々の郵便局での広告宣伝をはじめ、イベントの企画運営や官公庁の事業などを幅広く手掛けているJPコミュニケーションズ。この4月からはスローガンやロゴ等を刷新する。中国・四国支社長、全国郵便局長会専務理事等を歴任し、一昨年6月から同社を率いる渡邊伸司社長は「広告によって地元企業の売り上げが伸びれば、地域活性化にもつながる」と強調する。
広告は〝地域活性化〟の底力
――御社の事業について教えてください。
渡邊社長 郵便局での広告を取り扱う日本郵便の100%子会社として2014(平成26)年に設立された。主力の郵便局広告のほか、物産展等イベントの企画提案やグッズ・ウェブ・映像などの制作や販売等も行っている。「プライバシーマーク」は15年から取得している。
コロナ禍で20年度には一時期、収益が最盛期の3分の2以下に落ち込んだが、イベント関係の受注も戻りつつあり、回復の一途をたどっている。「郵政記念日」「ふみの日」等のイベントも請け負っており、約2万の郵便局へのマイナポイント支援端末の設置や、約300局で楽天モバイルの店舗設置にも関わったが、営業活動の強化が目下の課題だ。
――新年度に向けてどのような挑戦を。
渡邊社長 一つは、グループ内外への郵便局広告およびJPコミュニケーションズの認知度向上だ。日本郵便、日本郵政に支援いただき、4月から本格実施するもので、「進化するぬくもり」をベースにした当社スローガン、郵便局広告のキャッチフレーズ、ロゴ等を刷新し、オリジナルキャラクターも作る。社員の発案による〝ブランディング〟で、認知度向上へ皆で盛り上げていきたい。
その上で、基盤である郵便局広告のさらなる営業支援をはじめ、広告代理店との連携の深化、官公庁や大手広告主への働き掛け、イベントスペースの拡大にも取り組む。「郵便局広告システム」の更改も進めていく。
――自治体と連携した取り組みは。
渡邊社長 今年度は神奈川県寒川町と新潟県佐渡市の商品券事業を一括で請け負った。どちらも地元局長さんとのつながりによって実現したものだ。また、山梨県の年金生活者支援給付金事業も受注した。それぞれ、本社・支社の協力も受け、各自治体から高い評価をいただいた。今後も展開していければ、と思う。
――社員の方々には日頃どんな言葉を。
渡邊社長 「仕事は明るく楽しく」と呼び掛けている。気持ちを前向きにすると、自分にとっても周囲にもプラスの効果が働いて、結果として仕事にもプラスになって戻ってくる。
社名にあるように「お客さま」「社会」「社員」とのコミュニケーションを大切にしていきたい。特に、「お客さま」でもある局長の皆さん方は三事業や地域貢献活動で忙しい中、日頃から広告事業にご尽力をいただき感謝申し上げる。広告によって地元企業の売り上げが伸びれば、地域活性化にもつながる。今後とも広告に関心を持って取り組んでいただけるよう期待申し上げたい。