インタビュー 田村忠夫 東北地方会副会長

2022.08.27

 東北地方会(髙島貞邦会長/大玉)の田村忠夫副会長(一本木)らに郵便局の現況や展望を伺ったところ、共通したのは、やはり〝リアル〟を置き去りにしてはならないことだった。

「リアル×デジタル」融合は現場目線で

 ――地方創生の取り組みは。
 田村副会長 東北には227市町村あるが、7月末時点で223市町村と包括連携協定を締結し、4市町村が残るのみ。私がいる岩手県北部地区会も全15市町村と締結済みだ。地方公共団体からの事務の包括受託も全国で43局が実施しており、わが地区会も御返地局と二戸駅前局の2局が二戸市から事務を包括受託している。地公体との連携をさらに深め安全・安心な地域づくりに貢献していきたい。

 ――防災における取り組みを。
 田村副会長 岩手県内の全局長が日本防災士会岩手県支部の会員となっており、支部のさまざまな活動に中心となって取り組んでいる。私も昨年7月までの4年間支部長をやらせていただいた。防災の原則は「自助と共助」。災害発生時は、まず自身の安全を確保した上で、地域の方々と協力し隣近所を守ることが大切だ。
 洪水や地震、火山、噴火等の災害に備えるため市町村等との連携を深めている。昨年3月の日本郵政・日本郵便・NHKによる防災・減災に関する連携協定に基づき実施されたNHK盛岡放送局による情報提供スマホ操作研修会には、災害情報を迅速かつ正確に伝えるため多くの局長が参加した。

 ――「リアル×デジタル」の融合や、ゆうパック増に向けて。
 田村副会長 郵便局の最大の強みはリアルネットワーク。事務効率化を第一義とする「リアル×デジタル」の融合ではなく、現場目線のさまざまなアイデアを生かした取り組みにしなければならない。ITが強くない人にも「郵便局に行けば何とかなる」と思ってもらえる融合だ。
 ゆうパック増は、地域をよく知るエリマネ局長が情報を収集し、単マネ局との情報共有に取り組む〝連携強化〟が鍵を握る。人材育成は腰を据え、社員のモチベーションを高めていくことだと思う。