新春インタビュー JPメディアダイレクト 佐野公紀代表取締役CEO

2024.01.31

 日本郵便(51%)と電通グループ(49%)の共同出資で2008(平成20)年2月に設立され、今年16周年を迎える「JPメディアダイレクト」(佐野公紀代表取締役CEO)。郵便とマーケティングのノウハウにデジタルを融合した「マーケティング支援」と「事業支援」を展開し、ダイレクトメディアをはじめ、自治体の給付金や商品券事業等の事務局業務なども手掛ける。日本郵便の窓口業務等の役員を歴任した佐野CEOは「さまざまな課題解決に向けて、全部まとめてお任せいただけるのが我々の強み。郵便局と連携して自治体ビジネスを丸ごと受託したい」と力を込める。

自治体ビジネスを丸ごと日本郵政グループで

 ――御社設立の原点や現在の取り組みは。
 佐野CEO 民営化直後、ダイレクトメール等の周辺サービスを収益化しようとゼロから出発した。ダイレクトマーケティングの世界は日本郵政グループでも新たなチャレンジだった。
 スポット的な業務が多いため、常に危機意識を持ちながらも、全社員約170名が明るく楽しく創意工夫を凝らして、新しいお客さまと新しいサービスをつくろうと同じベクトルで取り組んでいる。

 ――特に注力されている事業は。
 佐野CEO 現在、自治体向けのサービスを強化している。地域によってできる、できないはあるが、ビジネスとして十分成り立つものと手応えを感じている。広報紙やハザードマップの全戸配布のほか、「プレミアム付き商品券」事務局業務では、ゆうパック等での一括配達型と、窓口販売の後方支援型を実施するなど全国の自治体で多数の実績がある。
 「給付金」や「コロナワクチン接種」の受付事務局業務は、関東や東海エリアの複数の自治体で実施してきた。さまざまな課題解決に向けて、個別のサービスだけではなく、企画からデザイン、印刷、発送、お問い合わせ、システム開発、事務局管理等に至るまで、ワンストップでお任せいただけるのが我々の強み。自社でできないサービスは協力会社とタッグを組んで提供しており、一つの〝共創〟ができている。

 ――自治体業務の受託は、日本郵政グループ全体でもビジネスの柱として目指されていますね。
 佐野CEO これまで240以上の自治体のプレミアム付き商品券を郵便局窓口で販売していると聞く。弊社サービスと組み合わせれば、もっと深いサービス受託ができる。
 例えば、近畿エリアで受託した「プレミアム付き商品券事務局」の場合、弊社が紙の商品券とデジタル商品券の両方に対応し、システム開発、ゆうパックによる配送、コールセンター対応という全体事務局運営をワンストップで対応している。そして商品券の販売は郵便局窓口が実施している。
 これから郵便局の皆さんと連携して、このように自治体業務を丸ごと日本郵政グループで受託する仕事を広げていきたい。
 そのほか、今年度は木密地域の出火防止対策事業における「感震ブレーカー」の配布や、再配達防止策として「簡易型置き配バッグ」配布事業も実施している。今後は「空き家調査」もポスティング事業者と協力して取り組んでいきたい。日本郵便とより一層連携しながら、ゆうパックやDMの拡大、地域活性化に貢献できればと思う。

 ――人材育成や今後の展望を。
 佐野CEO 今年度から新人事制度を本格稼働させた。実績による役職登用や処遇改善を行い、若手の採用も推進。毎月、全社員に対して、経営陣から直に経営状況の説明も行い、研修等も積極的に開催して社員のスキル向上を図り、会社が獲得した利益は社員にも還元するなどモチベーションを高めている。
 私自身、上司や部下、外部の方、どなたに対しても「誠実」を貫くことが一番大事だと思っている。その時々の課題に対して逃げずに、精いっぱい対応して挑戦を続け、グループ全体のお役に立てる会社に成長していきたい。

【問い合わせ先】
JPメディアダイレクト 営業推進本部 TEL:03-5157-6073
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