防テクセミナー 埼玉県鳩山町、EVの電源機能を研究

2022.12.03

 内閣府は10月21日、「防災×テクノロジー官民連携プラットフォーム」第5回マッチングセミナーを兵庫県神戸市の国際協力機構関西センターとオンラインで開催した。防テクプラットフォームの取り組みは政府の防災基本計画に盛り込まれるもので、自治体と企業が直接対話できる個別相談会には今回、18自治体と39企業が参加した。(写真は埼玉県鳩山町のホームページから)

EVを災害時の電源に

 埼玉県鳩山町政策・広報・DX推進担当の松ノ元弘毅課長補佐(地域公共交通会議事務局)は「今夏の豪雨で鳩山町も被害を受けた。町役場は今、電気自動車(EV)を3台保有しているが、『パワームーバー』という機械を付けて、バッテリーから電気を引っ張り、災害時の電源にできないか考えている。EVも通常のコンセントにつなぐことはできるが、V2H(EVやPHV<プラグインハイブリッド車>にバッテリーとして搭載される電池に蓄えられる電力を流用し、家庭で使用するシステムの総称)を研究し始めた。郵便局は配達をされているので詳しいと思う」などと話した。

小川町、近くの避難拠点が必要

 埼玉県小川町政策推進課の西田成亮主幹と塚越智洋主席主査は「町は避難所を20カ所以上指定している。人口減少で避難所を集約しようとの意見も出ているが、一人暮らしの高齢者の方は山を越えて橋を渡って遠い避難所までは行けない。住まいが山間部であれば山間部にある集会所を避難所としなければ避難が難しい。廃校になった小・中学校をスーパーシティの一環で再整備しているが、他の19カ所以上の避難所との整合性が取れない。このため、まさにEVは〝動く蓄電池〟と我々も思っており、避難所に移動できる電源として想定している。そういう部分で郵便局と連携できればありがたい」と期待を込めた。

西田主幹㊨と塚越主席主査