前島密翁墓前祭 〝人のために〟の郵便事業に
日本の近代化の礎を築いた〝郵便の父〟前島密翁の墓前祭が4月26日、神奈川県横須賀市の浄楽寺で開催された。約200人の参列者は、創業の原点に立ち返るとともに、郵便事業をはじめ、その枠も超えながら、新しい時代を拓いた先見性や自由な発想への継承の想いを誓い合った。主催する「日本文明の一大恩人前島密翁を称える会」(北風雄会長)の吉﨑庄司名誉会長が直前の24日に逝去され、吉﨑氏の縁の下の力持ちの功績を称え、しのんだ。
新たな時代を拓く精神を継承
北風会長は「一昨日、長年にわたり、称える会を支えてくださった吉﨑会長が亡くなられたことをご報告申し上げ、その深いご遺志を引き継いでいきたい。密翁の業績を広く伝えていただきたい」と願いを込めた。
新潟県上越市の中川幹太市長は「上越市は『前島密生誕200年 ひそか200プロジェクト』を立ち上げ、功績を発信している。〝縁の下の力持ち〟のお言葉通り、それぞれの地域でご活躍を願いたい」と呼びかけた。
横須賀市の宮川栄一経営企画部長が「密翁の功績は日本の新しい国づくりに生かされた精神を次世代につなぎたい」と上地克明市長のあいさつを代読した。
ゆうちょ銀行の山田亮太郎執行役は「前島翁の『人のためによかれと願う心を』の通り、お客さまの生活を豊かにする共創プラットフォームとしてサービス向上に努めたい」と力を込めた。
上越市の「郷土の偉人・前島密翁を顕彰する会」の滝沢一成会長は「努力の足跡は消えていかない。郵便事業が未来に伸びゆくことを密翁は願っている」と思いをはせた。
公益財団法人通信文化協会の髙橋亨理事長は「『ゆうちょ150年の特別展』が郵政博物館で開催している。〝誰も取り残さない〟前島翁の精神や、時代の先見性に触れる機会としてぜひともご覧いただきたい」と強調した。
田村浩紀南関東支社長代理の佐藤紳也経営管理本部長は「故吉﨑名誉会長は穏やかだが、熱い方だった。墓前祭はグループ一体で成長していく姿を報告する機会」と意欲を示した。
横須賀市大楠連合町内会の新倉繁会長は「密翁の精神の継承とご健勝を祈念する」と語った。