〝誰一人取り残さない〟デジタル庁が発足
「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル社会を。」をミッションにデジタル社会形成の司令塔となるデジタル庁が9月1日、菅義偉首相の肝いりの下で発足した。共通機能の整備・普及や国民向けサービス、情報システムの統括・管理を急速に進め、マイナンバーカードや自治体等のオンライン申請に使うID等を推進。多くの行政手続きワンストップ化を目指していく。柘植芳文参議院議員は「少子高齢化や過疎化の中、デジタル化の推進等に自治体は対応に苦慮している。身近で、公益性を持つ郵便局が自治体と種々の連携を進めることで行政サービスの補完、拡大に務めるべき」と指摘する。
柘植議員 郵便局、自治体とさらに連携を
柘植議員はまた「全国2万4000局の郵便局ネットワークの機能を地域の企業、コミュニティーにも活用してもらい、地域経済の復興、ビジネス機会の拡大に真剣に取り組むべきだ。マイナンバーカードの暗証番号を忘れる方が多い中、改正郵便局事務取扱法の施行によって自治体事務を受託した郵便局であれば、暗証番号初期化等も受け付けられるようになった。今後も地域のニーズに応じ、デジタルも活用してさらなる自治体等との連携拡大、新たな分野で新しいビジネスにチャレンジしてもらいたい。ただし郵便局は、対面で人の顔や目を見て語り合う〝心〟を通わせるベースを見失ってはならない」と話す。
改正郵便局事務取扱法は柘植議員と共に、徳茂雅之参議院議員も成立に向けて尽力した。
古屋圭司衆議院議員は「自治体と郵便局とのICT連携は、全国各地域の強じん化につながる。国民生活に寄り添う郵便局は、ユニバーサルサービス向上のためにさまざまな分野と連携し、買い物支援や児童・高齢者見守り、窓口事務受託など、独自性と存在価値を高めるべきだ。貴重なデータもセキュリティーに留意されながら新たなビジネスに生かすべきだろう」と強調する。
奥野総一郎衆議院議員は「自治体のマイナンバーカード支給はいまだ相当の時間を要し、市民負担が発生している。セキュリティー課題もあるが、マイナカードそのもののデリバリーも郵便局ネットワークを活用できるようにするなどで役所業務を広範に移管できるよう期待したい」と語る。
斉藤鉄夫衆議院議員は「地方創生を推進するには、誰もがデジタルを利活用できる社会を目指すことも重要。スマホの使い方などを丁寧に教えてくれる『デジタル活用支援員』の活動場所として、郵便局を活用すべきだ。デジタルと人をつなぎ、地域を支える役割を郵便局に願いたい」と期待を寄せる。
小沢雅仁参議院議員は「デジタル化の推進に伴う社会変化において、地域に〝人材〟〝拠点〟〝ネットワーク〟を有する郵便局が自治体と連携を強化し、さまざまなサービスを提供することで地方創生の一翼を担っていただきたい」と期待する。藤末健三参議院議員は「今後、公的サービスの地域の窓口のみならず、金融のシニア向け窓口などの民間サービスもマイナンバーなどを活用し、郵便局でサービスできることを期待したい」と話す。