離島12島を順次訪問、現場課題探る 宮下九州会長と髙手専務理事
12地方会の中で最も離島の数が多い九州地方会の宮下民也会長(全特理事)と髙手義彦専務理事が昨秋から九州3908島のうち、151の有人離島を順次訪問し、郵便局や地域の課題を探っている。すでに種子島、屋久島、奈留島、久賀島、高島、松島、喜界島、大入島、保戸島、与論島、沖永良部島、姫島の12島を訪問した宮下会長は「まず、離島には民間金融機関がない。人が住んでいる限り、郵便局は必要だ。配達も相当苦労されている」と話す。(写真は種子島の風景)
離島訪問 家族ぐるみの地域貢献に感銘
郵便局サミット24年度は九州で
宮下会長(写真上)は「離島局では局長のみならず、ご夫人含めて本当に家族ぐるみで地域貢献や地方創生の活動に頑張ってくれている。九州の離島の場合、他の島や本土からの転勤ができないため、島にすでに住んでいるか、もしくはその島出身の社員を探すなど局長の後継者づくりもかなり苦労をされていた。社員の転勤も離島間での転勤になるが、人がいない。物価も高い。住む家がないなど人員のやりくりに相当苦労されている状況が分かった」と強調。
また、「与論局の局長夫人の方が防災士の資格を取得し、学んだことを島民の方々に伝えている素晴らしい活動をされていたことに感銘を受けた。防災士の資格を持った局長の力をもっと生かす取り組みも重要だと思えた。いざという時のために局空きスペースに各種防災の備蓄も必要だ」と指摘した。
さらに「台風や嵐の場合は船が接岸できない場合が多く、荷物が滞ったり、滞っていたものがまとめて届けられたりするため、配達には非常に苦労していることも分かった」などと語った。
一方、昨年11月に沖縄支社(金城努支社長)で、九州支社(久田雅嗣支社長)と合同で開催された全国初の「郵便局離島サミット」を発案した沖縄地方会の伊志嶺豊和会長(全特理事)は「沖縄の場合は転勤があるため、九州と少し異なるが、防犯担当の副統括局長が離島を回っている。私も包括連携協定締結などイベントの都度、離島に行っている。3月には支社長と渡名喜島に行き、5月中に阿久根大島に行く予定。離島は行ってから天候などのアクシデントに見舞われると、最低3日ほどは動けなくなるため、大変だ。しかし島ならではの特産品もあるため、もっと販売できる形があるとよい」と話している。
「郵便局離島サミット」は2024(令和6)年度も継続し、九州での開催が調整されている。