民間ロケット発射を地域と盛り上げ 和歌山県那智浦神局

2023.02.25

 いよいよ、日本初の民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」(和歌山県)から、ロケット「カイロス」の初号機が打ち上がる(4月以降予定)。紀南地区連絡会(南方慎一朗統括局長/新宮中央通)の西純世局長(那智浦神)は、串本町と那智勝浦町の住民有志による「和歌山ロケット応援団」(写真上)の副団長を務める。風景印の作成や小学生の手紙企画、清掃活動等の施策を進める西局長に話を伺った。

風景印作成、全小学生に手紙企画

 「一生に一度あるかないかの機会。郵便局で何かできないか」と、西局長は昨年3月末、当時局長だった夫の太吉さんをはじめ、地域住民や美術教員の協力で風景印を考案。熊野古道を歩く平安衣装の女性がロケットを見上げるデザインで、国の名勝天然記念物の橋杭岩も描かれており、押印希望者は既に400件を超えた。
 
 また、発射場を運営する「スペースワン」の技術者宛てに、両町の全小学生約1100人が手紙を書く企画を発案。児童たちの挑戦・応援の心を育むもので、3月下旬にはスペースワンで展示される予定となっている。

左に「スペースワン」、右はカイロスの実物大デザイン

 そのほか、応援団による海岸等の清掃活動を実施。2月4日にはロケットのモニュメント(記念碑)を、紀州材の木片と南紀の浜に打ち上げられたシーグラス(ガラス片)で作製する親子イベントを、新宮木材協同組合紀南木材神緑会や地元材木店等の協力で催すなど、打ち上げに向けた機運醸成を後押ししてきた。
 応援団団長で南紀串本観光協会職員の青木圭さんは「西局長は地域を盛り上げるさまざまな活動で力になっていただき、大変心強い。今後も郵便局と共に応援の輪を広げていきたい」と期待を寄せる。
 打ち上げ当日は公式見学場に臨時出張所を出店し、漫画「宇宙兄弟」のフレーム切手等を販売する予定。ロケットにちなんだ那智勝浦町のロゴを郵便局のスタンプとして使用申請しており、来局者が記念に押印できる予定だ。

 西局長は「ロケットの打ち上げは私の那智浦神局からも見ることができ、地域の皆さんと共にカウントダウンに向けてワクワクしている。今後は年間20本打ち上げる計画と聞いており、明るい話題で町に多くの人が来てくれれば経済も活性化し、こんなにうれしいことはない。郵便局のイメージアップにもつながれば」と意欲を示す。
 
紀南地区内にある「くじらポスト」(左)と「幸せの黄色いポスト」(右)