社説

2022.01.21

 「我々の命、約2万4000の郵便局で、どう局長や社員が前を向き、進んでいけるか、どこまで本社と支社が役割分担するか、など日本郵便と詰めている」
 日本郵政の増田寬也社長は12月24日の記者会見で、記者団の質問に対し、そんな思いを明かした。

見つめるべきは〝お客さま〟

 また「政治活動は一人一人の非常に重要な権利のため、許されているわけで、公務員だった時代とは違う。ただし、一定のルールを設けて活動はそれに抵触しない形でやっていただく。現場の社員の士気が上がり、局長も皆が働きやすいようにしていかなければならない。局長の皆さんの声にも耳を傾けたい」とも語った。
 さらには「地方で働く人員のリソースは限られているため、どう変えていくのか、一人一人の社員の公正な評価につながる形を考えたい。ガバナンス体制を変えて支社機能を充実させることで、はっきりさせたい。支社の権限強化も大事。それぞれ地域の状況も見ていく必要がある」と指摘した。
 郵便局長は今、何をすべきだろうか。中期経営計画「JPビジョン2025」の副題には「~お客さまと地域を支える『共創プラットフォーム』を目指して~」とあり、全特会歌にも「創業の心を今に受け継ぎて ゆるがぬ国の礎と」とある。
 原点から考えると、見つめるべきはやはり、自らの地域の〝お客さま〟だ。
 改めて、日本郵政グループの底力が何かを考えると、一局一局の局長と社員に違いない。
 地域を良くするために貢献し、住民の方々と共にまちづくりや村づくりに励む局長の行動は、信頼を築き、商品やサービスを通じた収益につながってきたはず。お客さまの満足を得る直接的な活動は局長と社員によるフロントが握ることに常に変わりはない。
 「この郵便局なくなったら困るよね」と地域から評価を得る管理者としての責任が一局一局の主、局長にはある。
 顧客や住民の方々に寄り添い、社員の元気を引き出しながら足元を固める「共創プラットフォーム」を作り上げる中で、反転攻勢をも可能にする郵便局ネットワークが構築できるのだと思う。