ゆうパケットでお酒を発送
沖縄支社(金城努支社長)と北谷長老酒造工場(玉那覇徹社長)は、本の形に梱包された泡盛「BOOK型泡盛」を共同開発し、10月2日から店舗やネットで販売している。パウチに入れることで軽量化を実現し、ゆうパケットに対応。全国一律360円で発送できる。各地の酒造メーカーとのコラボなど今後の広がりが楽しみだ。
沖縄支社「BOOK型泡盛」開発
うちなーんちゅ(沖縄県民)が愛する泡盛を手軽なサイズに開発した「BOOK型泡盛」をはじめ、沖縄では「まちの保健室」や「フードドライブ」「無人販売」など、地域や地元企業・団体、自治体等と連携し、県民の幸せを目指す〝共創プラットフォーム〟が着実に進展している。
〝どうしたら県内外の方に泡盛を気軽に飲んでいただけるか〟と、沖縄支社郵便・物流営業室の上門正弥課長(写真上)は数年前から新商品開発を模索していた。
ネックは容器の瓶。割れ物で重く、送料も高い。ある日、目の前の本棚を見てひらめいた。「これだ!」
北谷長老酒造工場の玉那覇社長も賛同し、「いろいろ協力するので、いの一番で商品化したい」と、約2年前から共同開発が始まった。梱包材は県内のミヤギパッケージ社が製造・デザイン。本の表紙のようにラベルが施され、シリーズ本のように並べて楽しめる。
上門課長は「気軽に買えて、安く送れる県産品の開発をさらに進めたい。10月17日からは沖縄そばのBOOK型も発売を予定している」と目を輝かせる。
「まちの保健室」4局目がスタート
沖縄では局内スペースを活用した取り組みを積極的に展開している。「まちの保健室」が8月8日から、糸満局(写真上、嘉数誠局長)でスタートした。名護市、うるま市、本部町に続くもので、支社と県、県看護協会、自治体の連携施策。県の国保ヘルスアップ支援事業の一環だ。週に1回、看護師が常駐し、骨密度や血圧、体脂肪等を測定できる。健康・子育て・介護の相談を受け、関係機関につなげる役目も果たしている。
看護協会の當間幸子さんは「プライベートが守られ、骨密度の測定器なども置かせてもらい、すごく良い環境。身近な郵便局なので、皆さん安心して来られる」とほほ笑む。
窓口営業部の石川哲次部長(写真上)は「地域の方々に関心を持っていただき、健康になってもらえれば僕らも万々歳。この取り組みがどんどん広がり、県民みんなが健康で幸せになれば」と願いを込める。
局内活用でフードドライブ、無人販売
局に専用ボックスを設置して食品等を寄贈いただく「フードドライブ」は2019(令和元)年7月から始まった。深刻な貧困解決の一助にと、寄贈品を子ども食堂等に定期的に贈り、関係者から称賛が寄せられている。
「無人販売」では、福祉団体による手作り商品や民芸品なども評判が良い。伊志嶺豊和主幹統括局長(宮平)は「地域の方々とのつながりから郵便局に商品を置かせてほしいと要望を受けて始まったもの。卵も人気だ。各局で飾り付けに工夫を凝らすなど、お客さまの憩いの場にもなっている」と絆を強調する。
同支社と宜野湾市、同市観光振興協会が共催する「ぎのわんハート♡プロジェクト」は、引退した歌手・安室奈美恵さんのハート型小型印押印サービスを、継続を望む声を受け、9月16日から1年間延長した。本島北部地区連絡会の伊佐敬統括局長(石川)は「5年目を迎え、記念ポストには年間数千通が投函される。グッズ収益の施設等への寄付も継続する」と意欲を語る。
沖縄の豊かな未来のために、県民と手を携えて進む郵便局の温かな〝共創の輪〟が大きく広がっている。