若者に金融リテラシー講座 北海道支社

2022.10.15

 「人生100年時代」「18歳成年時代」に生きる若者が将来にわたり心身共に豊かな生活を送れるよう、北海道支社(及川裕之支社長)は今秋から「高校生のための金融リテラシー講座」と題する金融教育の出前授業に力を注ぎ始めた。講師を各地元局長が務める。

豊かな人生100年時代を

 「高校生のための金融リテラシー講座」は、道立高校約200校のうち、約40校を対象に、金融教育を通じて地域の中で伸び伸びと育つ若者にお金の大切さやお金との付き合い方を学ぶことで真に豊かな人生を歩んでもらおうというもの。将来の暮らし方を考える「ライフプランニング」、そのために必要になるお金と準備方法を学ぶ「家計管理」や「資産形成」、金融トラブルに遭わないよう手口や対処法などを、地元局長が講師となって講義50分、グループディスカッションと発表で50分、まとめ10分の約2時間出前授業を行う。

家計管理や資産形成、ライフプランも

 9月26日に札幌手稲高校で講師を務めた平畠一矢局長(北海道庁内)は「8クラスあったため、ゆうちょ銀行の方にも手伝ってもらい、手分けして授業を進めた。グループディスカッショでは、例えば、イベントにこれだけのお金がかかり、パンフレットを作るにはいくらか、老後資金は何が足りないか、など自分たちで調べて結論を出す姿が素晴らしかった。真剣に考える様子が伝わってきた」とやりがいを語った。10月6日の札幌東陵高校で開催された出前授業では山本健二局長(新札幌駅デュオ)が講師を務めた。

地元局長が約40校で出前授業


 政府は今春から高校生の金融教育や健康教育を本格化。4月に改訂した高校の新学習指導要領では、新科目「公共」で金融経済の基礎的な仕組み、「家庭科」で投資信託などの金融商品や資産形成の視点に触れた授業を行っているほか、「保健体育科」ではがん教育を初めて盛り込み、生徒のみならず親世代も含めてヘルスケアを国民に浸透させるよう取り組んでいる。
文部科学省は「教員だけでなく、各地で局長さんの知見を学ばせていただいたようにさまざまな人材から子どもたちに学びの機会を与えていくことが重要だ」と期待を寄せる。
 金融庁は「金融リテラシーとはお金に関する知識や判断力。長寿化が進み、ライフスタイルも多様化する中で、将来必要となるお金を計画的に準備し、安定的な資産形成に取り組むことが大事だ」と話している。