黒岩伸一全特理事インタビュー「〝現場の意見〟反映した未来像を」

2026.03.02

――専門委員会ご担当は何ですか。地域貢献等のお考えもお聞かせください。
黒岩理事 基本問題と集配センターの主任理事、置局・局舎と総合政策は担当理事を務めさせていただいている。地域貢献は多くの局長たちが、例えばPTAや自治会の役員、児童育成委員、民生委員等々を担ったり、睦沢の干し芋事業に習って農家と連携し、休耕地を復活して道の駅で販売する局長仲間もいる。行政事務受託、オンライン診療や空き家対策等、地方創生に結び付けるやり方なども含めてさまざまなものがあると思う。

局長の源流「貢献の精神」生かして

――集配ネットワーク再編も中計骨子に盛り込まれてますが、何に留意してほしいかなどお考えをお聞かせください。
黒岩理事 物流拠点の集約は、運送便の立ち寄る箇所が減ることで経費が浮いて管理もしやすくなる。反対ではないが、お願いしたいのは集約を距離だけでなく実情を細やかに見た上で判断を願いたい。

私の草津局の配達区内の窓口局2局は午前に半休して局長も配達に従事しながら配達の人手不足に対応し、午後に開局している。地区内に集配局は21局あり、距離間だけで見ると草津局と三原局、大笹局も近い。しかし冬場は三つの局それぞれが受け持つ山中奥地の配達地まで1局から届けるとなると、その日中の配達に無理が生じかねない実情もある。

――「郵政民営化法等の一部を改正する法律案」については。
黒岩理事 どこに住んでも郵便物等が届き、金融弱者の方も作らないよう国民生活を守ることがユニバーサルサービスも担う郵便局ネットワークの使命だ。法案はその公的な役割を将来も果たすためにも必要な改正だ。さもなくば地域からほころびが出て、国を守っていけない。郵便局以外の金融機関は過疎地の支店等を撤廃されている。郵便局は人口が少ない地域含めて津々浦々にあるのだから、「市場における公正かつ自由な競争を促進せよ」との論調だけでは筋が通らないと思う。

――次期中期経営計画等に期待されることなどは。
黒岩理事 一番会社にお願いしたいのは〝現場〟ともっと近くなっていただきたいことだ。このやり方を進めると現場がどうなのかを考えながら手を打っていただきたい。郵便物数が減っているから要員を減らしても大丈夫と思われるかもしれないが、現場はゆうパック等の荷物が増えるとポストに入れられない手間とともに記録する時間もかかる。同じような報告や検査も多い。根岸一行社長と小池信也社長は支社長も経験され、聞く耳を持たれていらっしゃるため、今後は期待ができると思う。ベストな在り方を一緒に考えていただきたい。

――ハンセン病の方々を守った郵便局のお話もお教えください。
黒岩理事 その昔、草津温泉がハンセン病に効くと全国から患者の方が草津に集まってきたが、社会から壮絶に差別を受けた患者さん方も仕送りを受け取ったり、手紙を出す。祖父は「その人たちは何も悪くない」「そういう人の面倒は誰かが見なければいけない」と患者の方々が集まる湯之澤部落の一軒家を借りて郵便局を始めた。特効薬ができて病気が完治してからも厳しい差別は続いていた。ある時、私が患者さんと一緒にそばを食べながら患者さんが残したそばを食べると涙を流して喜んでくれた。それだけ差別は根が深かった。祖父と同じ貢献の精神が全国の局長の源流にある。尊い郵便局ネットワークを生かす未来像としての次期中計を心から願いたい。