インタビュー〝実は私も郵政出身〟 広島県安芸高田市 藤本悦志市長
昨年7月に広島県安芸高田市長に当選した藤本悦志氏。市内の川根局と吉田局で約23年にわたって局長を務め、芸北地区郵便局長会副会長等も歴任した藤本市長は「局長時代同様、ご縁や出会いを大切に市政改革に全力を尽くす」と意気込む。
全支所窓口業務〝丸ごと〟郵便局委託へ
――就任1年を振り返られてのご感想は。
藤本市長 昨年7月7日に就任して、あっという間の1年間。何よりも対話を重視して地域を回ってきた。市民の皆さんが生活に満足し、周囲からも「安芸高田市って、いいな」と思われるようにならないといけない。
課題は多い。財政的にも厳しく、人口減もある。典型的な中山間地域。一つの課題に対し、10人いれば10人、意見は違うが、だからこそしっかり対話をして意見を伺い、最後は首長の責任として、ベストの判断をしていこうと思う。
――人材育成に力を入れられていますね。
藤本市長 高校卒業後、進学で市を出ても戻って来てくれるような〝ふるさと教育〟が重要だ。幼い頃から地域愛を育てようと、教育委員会とも話している。僕自身もふるさと教育を受けて育ち、大学卒業後は迷わずに地元に帰ってきた。
今6校ある中学校の統合では12回の対話集会を行い、中学生の意見も聞いて正式決定した。中学校が地域になくなるのは寂しいが、現状では部活動も単独で行えない。
ハンドボールで全国優勝するチームもあるので、集約することで逸材も育つ。認定こども園の開園も、当初の2030(令和12)年から2年前倒しできるよう、担当者がピッチを上げて頑張ってくれている。
――郵便局との連携など今後のご抱負を。
藤本市長 今回総務省の実証に応募して、市内5支所の窓口業務を来年10月からフルメニューで15の郵便局に委託しようと準備を進めている。今年10月からは実証実験を開始予定。採択されれば約2000万円の事業費がつく(8月7日に採択決定)。
中国支社(砂孝治支社長)と協議を重ね、長谷川英晴総務大臣政務官にも全国的な取り組みをご指導いただいた。郵便局と今、マニュアルの作成などを詰めている。タブレットで本庁と郵便局をつなぐ〝よろず相談〟もできるようにしたい。
行政手続きが15局に拡大できることは、市民にとっては大きなメリット。郵便局ネットワークだからこそできることだ。コスト的にも安く、証明書等の申請業務で郵便局に行った際に、貯金や物販などプラスアルファも出てくる。皆がウィンウィンになる。
私自身、局長時代からご縁を大切にと心がけ、人のつながりのおかげで今も支えていただいている。今後も一つ一つの出会いを大事に、市政改革に全力で取り組んでいきたい。