全国初 ご当地レターパック +αで感動を!北海道5局で販売

2025.06.13

 「うわあ、すてき!」と受け取り先に感動や喜びを+αで贈れる地域の〝ご当地〟写真が添えられた「オリジナルレターパックライト」の試行販売が6月2日、全国で初めて北海道の東川町3局と旭川市2局で始まった。日本郵便が全国の郵便局から要望のあった写真や広告付きレターパックを検討する中、「東川町リビングラボ」(地域の連携協定等に基づき、日本郵便・東川町・慶應義塾大学・SFC研究所の3者協働で活動)と調整を進め、実現。各地の「ご当地」版も視野に入れる。

受け取り側の〝心に残る商材〟を

 心と心が通じ合う町づくりを目指し、〝写真の町〟宣言から40周年を迎えた東川町の「ご当地レターパックライト」は、表面にエゾフクロウ、エゾモモンガ、キタキツネ、裏面に「キトウシ森林公園」の写真付き。写真家の井上浩輝氏が撮影し、デザインは町のオフィシャルパートナー企業の東京カメラ部㈱が協力した。
 東川局、東川八号局、東川北局、旭川駅内局、旭川東局で限定1000枚を430円(税込み)で販売中だ。
 実現の立役者は日本郵便の梶恵理さん。梶さんは地域おこし研究制度を活用した社内プロジェクト「社会イノベーション研究室」に応募し、23年4月から東川町に出向した。
 生活者の視点に立った新しい商品やサービスを生み出す場づくりを共創する「東川町リビングラボ」を地域の方々と立ち上げ、手紙とさまざまな要素を組み合わせ、地域の価値を高める取り組みを検討。受け取り側の心に残る商材を目指してきた。

リビングラボでお米レターも

 今年2月には「お米レター 一人米」も誕生。高校卒業や成人式を迎えて「一人前になったね」と、お米1合を一人前に掛けた商品となっている。
 贈呈式で、日本郵便の田中豊執行役員は「〝写真甲子園〟等を通じて文化を育む風土が育まれる素晴らしい東川町。受け取る方がワクワクするレターパックで地域の魅力を広げたい」と意欲を示した。
 東川町の菊地伸町長は「梶さんを迎え、リビングラボが開設できた。お米レターも持続可能な町づくりに生かしたい」と感謝の意を表した。北海道支社の坂東秀紀支社長は「東川町と先生方のご尽力と応援のもと、全国初のプロジェクトが実現し、写真と手紙との相性の良さが再認識された」と喜びを語った。
 「東川スタイル」を9年前に執筆した慶應義塾大学の玉村雅敏教授は「お米レタープロジェクト最大の応援団は上川地区連絡会の伊賀俊充統括局長(ひじり野)、東川局の前野秀樹局長をはじめ、地元郵便局長の皆さんが『地域から発信すべき』と提案し、出来上がった。郵便局を活用し、何かが進むことを期待したい」と述べた。
 東京カメラ部㈱の塚崎秀雄社長は「素晴らしい仕組みが大切な地方を支える一助になってほしい」と願いを込めた。写真家の井上浩輝氏は「地域のすてきなものや出来事が世界中に発信できる時代」と強調した。