郵政関連法案が正念場
郵政関連法案が今国会で成立できるか否か、水面下で正念場を迎えている。「郵便局の新たな利活用を推進する議員連盟」(山口俊一会長)は2月19日、役員会を開催した。山口会長は冒頭、「急ピッチで仕上げていきたい。できれば3月中にも国会に提出できれば滞りなく審議できる。役割分担しながら進めたいので、お力を賜りたい」と真摯に呼びかけた。
郵活連 提出目指し党内調整
重要法案が山積する今通常国会の中で、議員立法として郵政関連法案を今国会で滞りなく通すためには5月中旬までの成立が望まれている。成立を間に合わせるためのタイムスケジュールを勘案し、提出に向けて郵活連は郵政関連法案PTが現在、刻一刻と党内調整を進めている。
提出への了承を得るための自民党での平場の会議は2回行われる予定で、意見を交わした後に修正を行い、最終判断の政務調査会(小野寺五典会長)、総務会(鈴木俊一会長)に諮る。
一方、議員立法としての法案提出には、各党協議も要する。自民党と公明党の与党内協議、立憲民主党、国民民主党、日本維新の会等々の各会派に呼びかけ、協議した上で提出を合意する必要がある。
本格的な審議は提出後になるが、予断を許さない状況。郵活連は3月中旬めどに党内各会の部会長の一任を取って、政調・総務の了承を得るために緊張感を持って調整を図っている。
1、議員立法で直ちに着手すべき事項(素案)
①ゆうちょ・かんぽ株の処分時期の見直し、3分の1超の「当分の間」の保有義務
②銀行窓口業務契約・保険窓口業務契約の認可(総務大臣の権限強化による郵政三事業の一体性の確保)
③日本郵政と日本郵便・関連銀行・関連保険会社との協議(日本郵政の権限強化・総務大臣の助言による郵政三事業の一体性の確保)
④郵便局への公的地位の付与(郵便局による公共サービスを含む公的サービスの提供の本来業務化)
⑤郵便局ネットワーク維持のための交付金の拡充
※郵政管理・支援機構から日本郵便に交付する郵便局ネットワーク維持費用のための交付金を拡充(原資は、(ⅰ)政府保有の日本郵政株への配当(年間500~600億円)相当分と、(ⅱ)権利消滅した旧郵便貯金<2022〜2037年の16年間で推計2344億円>の一部)
⑥その他、日本郵政によるゆうちょ・かんぼ株の売却益を原資とする基金の設置、基金を充てた郵便局による公的サービス以外の地域貢献業務の実施の努力義務
2、議員立法で論点整理し、検討を進めるべき事項(素案)
①日本郵政と日本郵便の合併について積極的に検討するとともに、郵政グループの組織の在り方、郵政グループにおける郵便局ネットワーク維持に要する費用負担の在り方等について検討(施行後2年をめどとして政府が検討を行う旨の検討条項を規定)
※特に日本郵政と日本郵便の合併については、政府において有識者会議等を立ち上げ、精力的に検討
※組織の在り方、郵便局ネットワーク維持に要する費用負担の在り方等については、政府だけではなく、会社においても検討(会社の内部規程、業務システム、体制、人事交流、手数料体系など)
②ゆうちょ・かんぼ株の3分の1超の「当分の間」の保有義務(1①)の見直し(3年ごとの検証の際に政府が見直しを行う旨を規定)
③上乗せ規制の在り方の検討(速やかに政府が検討を行う旨の検討条項を規定)