インタビュー 全国郵便局長会 宮下民也副会長(九州地方会会長/熊本西原)
全国郵便局長会(末武晃会長)は5月に開催された全特名古屋総会において、宮川大介副会長、向井則之副会長の2人が退任したことから、新たに宮下民也副会長(九州地方会会長/熊本西原)と勝又一明副会長(東海地方会会長/裾野岩波)の2人を副会長として選任した。新副会長2人に共通する思いは「楽しく、前進」だ。
〝絆〟を強め、「団結」を力に
――全特新副会長就任のご抱負をお願いします。
宮下副会長 末武晃全特会長が進める「風通しの良い組織づくり」の一端を担い、バックアップする役目に全力を尽くしたい。
会則第三条にも「会員の団結により、郵政事業及び地域社会の発展に寄与する」とあるように、団結しなければ何事も前に進められない。そのためには、会員同士が絆を強めることと、それぞれの職場も風通しを良くすることが大切。両面が防犯にもつながる。
――九州の離島局を訪問してこられましたが、時間的に難しくなると思いますが。
宮下副会長 一度やり始めたことは最後までやり通したい。九州は特に離島が多く、国境の島もある。地域の方がそこに住まわれる限り、郵便局は残さなければならない。九州の離島は本土からの転勤が難しく、島出身の社員を探すのに苦労している。
また、離島の局長は島内に住むことになるため、後任の局長の採用に苦労している。二次離島(本土と直接結ぶ公共交通がある島が一次離島)もあり、郵便局ネットワークをどう維持し、運営していけるかは、離島も、山間地も見過ごしてはならない重要課題だ。
――熊本県天草市23局の一斉包括事務受託(今年10月)、同御船町2局のバーチャル行政相談、宮崎県都城市内局の郵便局型キオスク端末、福岡県宮若市の新買い物サービス等々、九州発の全国初が実現しましたが、専門委員会でのご担当を。
宮下副会長 「地域貢献・地方創生」と「置局・局舎専門委員会」を担当させていただく。人口減少や社会環境の変化でお客さまが減っていく中、地域の最後のとりでとして、三事業以外にも収益を生み出せる郵便局の形を会社と協力し、つくり上げるためには地方創生は大きな〝要〟。
長谷川英晴先生は「行政と一緒にできることをやるべき。特に全国4~5カ所で実証事業が行われ、山口県内では実装も始まったオンライン診療を広げることで国のモデルケースをつくれる」と言われていた。
総務省や国土交通省等の国の公的サービスは補助金が出る施策もある。会社と連携しながら、地方創生を主軸としてさまざまなサービス、例えば、局長が集落支援員等を担うことで、地域課題を解決できるようにできないか模索しているところだ。どんどんチャレンジし、やや長期的な視点で収益等を精査していくべきだと思う。
――リアルとデジタルの融合が進む中、局長の方々ができることは。犬童周作相談役は熊本ご出身ですね。
宮下副会長 数年前に当時、デジタル庁勤務だった犬童周作相談役にマイナンバーカードについて講話いただいた際、初めてお会いしたが、人吉市出身の素晴らしい方だ。しっかりと盛り立てていかなければならないと思う。
行政相談窓口としてタブレットは非常に重要だが、今後はさらにスマホのアプリの重要性が増すと思う。グループ統一の郵便局アプリも期待したいが、ご高齢の方などは、なかなかスマホでアプリを自由に操作できない。郵便局で聞いていただければ、簡単に操作できるような分かりやすいアプリだと理想的だ。
自ら新しいものを確認し、何に使えるかを具体的に考えることが浸透すれば、「リアル×デジタル」の良い形が実ると思う。局長仲間には、活動は気負わずに楽しくやろうと伝えたい。難しい顔をしても進まない。苦しいことも悩んだ時も話し合える風通しの良い組織を目標に頑張り抜きたい。