空き家対策や街の再生へ貢献 JPインベストメントが投資
JPインベストメント(古宮博幸社長)は5月10日、「JPインベストメント地域・インパクト1号投資事業有限責任組合」を通じ、解体工事DXプラットフォームを展開し、公民連携の空き家対策事業を推進している㈱クラッソーネ(川口哲平CEO)への出資を発表した。存続期間は10年間。解体業界のDX加速や街の循環再生への貢献が期待される。(写真はクラッソーネのHPから)
SDGs目標達成に向けたインパクト投資
同ファンドは、地域経済の活性化、SDGs目標達成に向けた社会的インパクトの創出に資する企業や事業への投資を行い、持続可能な社会の確立を目指すもの。
具体的には、国内において成長資金や事業承継等のニーズを有する中堅中小企業、ベンチャー企業および地域開発事業等への投資を行うことにより、地域への資金循環を通じた地域経済の活性化や社会へのポジティブインパクト創出による SDGs の目標達成に貢献する。
投資対象のうち、特に社会的インパクトを有する企業・事業への投資については、「インパクト投資」として、経済的リターンに加えて社会的リターンも追求することでポジティブインパクトの創出を目指す。
クラッソーネは、解体工事DXプラットフォーム「クラッソーネ」を展開しており、解体工事領域で全国2000社以上の専門工事会社をパートナーとしている。これまでに累計約14万件以上の利用者実績があり、一般生活者においては解体工事や家じまいの支援、そして解体工事会社においてはマーケティングや営業の支援を行っている。
現在では、これまで培ってきた解体工事知識とIT技術を活用し、公民連携での空き家対策事業を展開し、令和3年度から令和5年度の国土交通省「住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」に3年連続で採択されたほか、「全国空き家対策コンソーシアム」の設立にあたり、川口CEOが代表理事を務めるなど、社会課題である空き家問題の解決にも取り組んでいる。
わが国では、空き家の数が増加し続けており、今後、さらなる増加が見込まれます。空き家が適切に管理されず放置されると、災害による破損・倒壊の危険性が上がり、また、衛生上や景観上の問題を起こす恐れがあります。その一方で、空き家の解体を担う工事会社はDXが進まないことや就労者の減少により人材不足が深刻化している。
同ファンドは、クラッソーネが解体業界のDXを推進し、サプライチェーンを最適化することを通じて、解体工事会社が解体工事に集中できる環境を作り、効率化とイメージ向上で生産性と人手不足の解消が期待できると考える。
さらに、クラッソーネは解体工事におけるリサイクル率の向上や
自治体との連携を通じた空き家対策のサポートなど、空き家の解体のみならず、「街」の循環再生の実現に向けて総合的な取り組みを行っている。
これらは社会へのポジティブインパクト創出によるSDGsの目標達成に貢献するという同ファンドの理念に合致することから、本件を「インパクト投資」として出資を決定した。