「新潟県こむすび定期」 ゆうちょ・郵便局も参画
新潟県は10月16日、ゆうちょ銀行をはじめとする県内39金融機関と「新潟県こむすび定期」の事業開始に向けた連携協定を締結した。社会全体で子どもの誕生を祝い、官民挙げて子育て世帯を応援する全国初の支援策。乳児1人に現金10万円を定期貯金で給付する。県内約660カ所に拠点を持つ信越支社(菊地元支社長)管内の郵便局(簡易局含む)とゆうちょ銀行信越エリア本部(石岡雅範本部長)は「+αの支援策」として、窓口で「記念切手・オリジナルポストカード」を贈呈するほか、「総合的な金融コンサルティングサービス」を提供し、若い世代に寄り添いながら住みよいまちづくりに貢献する。
乳児に10万円! 県×39地域金融
「新潟県こむすび定期」の対象は、2023(令和5)年4月以降に出生した県内在住1歳未満の乳児ら。10月20日に始まった申し込みは、県HPの「新潟県電子申請システム」から、氏名や住所等の必要項目を入力し、申請する(郵送も可)。
それにより県から届く紙の証明書を郵便局やゆうちょ銀行等の窓口に提出の上、口座開設の手続きを行うと、「新潟県こむすび定期」を受け取れる。家計負担が大きくなる2年後(入園時)と5年後(入学時)に満期となる定期貯金5万円ずつ計10万円が県から支給される。
連携協定締結式で花角英世知事は「今年4月から政府のこども家庭庁が発足し、こども基本法が施行された。子どもの健やかな成長を社会全体で応援する機運が高まっている。〝子育てに優しい新潟県〟として、金融機関の定期預金の仕組みを活用し、お金のかかる節目で経済的な支援を届ける事業。経済支援があることで新潟に移住したいと思う若い世代が出てくるとうれしい」と喜びを見せた。
県銀行協会の横山史雄常務理事は「金融機関が公的な部分に手を携える活動はなかなか難しい中、一つの商品を作り、使っていただける施策はありがたく、参画できて良かった。周知に向けて店頭へのポスター掲示、来客者の方へのチラシ配布やお声掛けで積極的にPRしたい」と語った。
若い世代も住みよい地域を
ゆうちょ銀行の石岡信越エリア本部長(写真上、右端)は「約2万4000の郵便局とゆうちょ銀行は貯金や投資信託等の金融サービスを全国津々浦々で展開している。県内の郵便局とゆうちょ銀行で取り扱う『こむすび定期』は、お祝い品としてオリジナルポストカードと記念切手もお贈りする。官民一体の子育て支援に深く賛同し、他金融機関の方々と一緒に素晴らしい取り組みに参加できることはうれしく、誇らしい」と意欲を示した。
締結式には、このほか新潟県信用金庫協会の西潟精一会長、新潟県信用組合協会の小野澤一成会長、新潟県労働金庫の齋藤敏明理事長、新潟県信用農業協同組合連合会の島本春幸代表理事理事長、東日本信用漁業協同組合連合会新潟支店の樋口雄一常務理事も出席した。