インタビュー 小沢雅仁参議院議員
2023.03.27
――郵便局ネットワークの将来像についてお聞かせください。
小沢議員 郵便局ネットワークの維持は極めて重要だ。その上で、今はスマホで送金や保険の相談もでき、窓口に来るお客さまも郵便物数も減少しており、収益改善がなかなか見込めない。そのような中、ネットワークの維持やユニバーサルサービスのコスト負担が社員の人件費抑制につながることは絶対に回避しなければならない。
公的サービスの提供が柱の一つに
例えば、ユニバーサルサービスのコストを料金の中に含め、利用者の方に負担いただくことや、日本郵政グループに対する法的規制を緩和して経営の自由度をもっと高めていけるよう、国が責任を持って対応するべきだ。その一助となっていきたい。
――郵政事業の未来にとって必要なこととは。
小沢議員 何より人材の確保が必要だ。若年労働力は各企業で取り合いになっている。初任給の引き上げなど、正社員等の賃金を改善しないと優秀な人材を確保できないし、郵便局を就職先に選んでもらえない。
私はJP労組の役員時代、賃金改善や制度改正に取り組み、自身の経験も踏まえて介護休業の延長も実現した。2月20日にはJP労組がグループ各社に要求書を提出して春闘交渉がスタートした。適正な価格転嫁が重要な交渉ベースとなるだろう。
今後、過疎地の郵便局をどのように維持していくのかが重要となる。マイナンバーカード利活用推進事業で、郵便局型マイナンバーカード利用端末の実証が3市で実施されたが、人口減少が進む中、コンビニがない市町村を中心に郵便局等への郵便局型キオスク端末等の設置による公的支援が広がる可能性がある。
郵便局での公的サービスの提供も地域住民の利便性の一助になるのではないか。