インタビュー 鈴木弘幸 簡易郵便局企画室長
全国約2万4000の郵便局ネットワークの一翼を担う簡易郵便局の改革に、日本郵便が本腰を入れている。千田哲也社長の旗振りで簡易郵便局PTを立ち上げ、一時閉鎖対策など課題解決に向けた改革に取り組んでいる。本社チャネル企画部簡易郵便局企画室の鈴木弘幸室長は「簡易局もお客さまにとっては郵便局。〝簡易局をやってみたい〟という人を増やせるよう、改革を進めていきたい」と意気込む。
支持いただける簡易局へ改革挑む
――簡易局の一時閉鎖解消に向けた取り組みをお教えください。
鈴木室長 受託者の方がご高齢になられるなど、一時閉鎖は大きな課題。受託者募集を弊社ホームページに掲載したり、近隣局にチラシを貼り出したり、新聞折り込みチラシや自治体広報紙にも掲載するなど周知に取り組んでいるが、希望される方が少ない状況だ。
昨年から、UIJターン(大都市圏から地方への移住)の希望者も含めて、北海道や信越など数カ所で簡易局の説明会を開催し、その効果について全支社で共有を図っている。また、北海道で近隣局との複数受託を試行しており、課題の洗い出しに取り組んでいる。
――簡易局改革の進捗状況は。
鈴木室長 昨年1月から3月にかけ、簡易局長の方々と本社との意見交換会を全国10カ所で開催した。1会場につき10人前後で活発に意見を交わしたほか、本社でチームを組んで現地調査も行っている。
最優先で進めているのはガバナンス強化。簡易局長の皆さんが毎日安心して働けて、事故や問題のない仕組みにすることが重要。そのほか、手続きの簡素化や手数料についてのご意見も多数いただいており、鋭意検討中。意見交換会は今年も開催の準備を進めている。簡易局の皆さんのお声を聞きながら、実現可能なものから速やかに改善していきたい。
――若い方の受託希望者が増えるよう副業も含めた支援措置は。
鈴木室長 副業についての支援制度はないが、簡易局長の皆さまの希望に添える支援ができるよう、また、ご親族等に引き継がれる際に銀行代理業者の許可申請などがスムーズにできるよう、各支社でも相談体制を取らせていただいている。
――簡易局への思いや将来に向けての展望をお聞かせください。
鈴木室長 郵政省に入って最初に担当したのが簡易局。当時、恥ずかしながら簡易局をよく知らなかったので、実家の近くにある簡易局に自転車で行って話を聞いたこともある。
簡易局もお客さまにとっては郵便局。将来的に簡易局も直営局同様、お客さまに支持していただけるような形になっていくべきだと思う。諸課題を改善して簡易局の魅力を向上し、〝簡易局をやってみたい〟という人を増やせるよう、改革を進めていきたい。