インタビュー ローソン沖縄 中西淳社長

2024.08.23

 沖縄支社(金城努支社長)が開発したBOOK型泡盛などの特産品シリーズ14品目が、7月1日から沖縄県内のローソン全263店舗で販売開始となった。ローソン沖縄の中西淳社長は画期的な商品に太鼓判を押した上で、「郵便局の接客やサービス、お客さまへの気配りなど、我々はもっと見習わないといけない」と期待を寄せる。

郵便局の接客や気配りを見習いたい

 ――BOOK型シリーズへのご期待を。
 中西社長 全国のローソンには全て郵便ポストが設置されているので、BOOK型シリーズを買って、切手とゆうパケット専用ラベルを貼り付ければ、包装もせずにその場で送れる。非常に簡易的で便利。薄くてスーツケースにも入れやすく、画期的な商品だ。
 お酒は飲むだけじゃなく集めている方もいるので、BOOK型は集める楽しみ、飲んだ後も空き箱を飾る楽しみや、お客さまによって、いろいろな使われ方がされると思う。

 ――沖縄の泡盛や特産品を盛り上げたいとの思いで、沖縄支社の担当者が開発されたと伺いました。
 中西社長 まだ参加していない企業で、興味を持たれているメーカーの方もいらっしゃると思う。試行期間の中で一番売れたのは、沖縄そば(乾麺)だった。〝次は自分たちも〟と思っているメーカーさんは結構いらっしゃるのではないか。
 売れていることが分かってくれば、売りたいというお店も増えてくると思う。県内で有名な沖縄ホーメルさんの参加も決まったと聞いている。

 ――2022(令和4)年には南城市の知念局でローソン商品約100品目を置く実証実験が行われました。
 中西社長 沖縄にはコンビニもスーパーもない離島がある。ところが、そういう離島にも郵便局はある。そこの拠点を通じて、ローソンの商品を供給できればと考えている。
 例えば月曜日に船に乗せ、ローソンのおいしいデザートが火曜日に郵便局に届くとなったら、多くの方が郵便局に来られるのではないか。人口約200人でも、買うのは1人1個じゃないだろうし、隣近所の分も買ってあげるから、びっくりするぐらい売れるかもしれない。
 両社のレジの問題や契約や配送の経費など、乗り越えなければならない課題はさまざまある。しかし、島で暮らしているおばあちゃんは、沖縄本島に来た時しかチルドのお菓子を食べられないが、郵便局に週に1回届くとなるだけで生活がガラリと変わる。
 ローソン商品が島の隅々にまで届き、郵便局で販売され、その島のお客さまの生活が多少なりとも豊かになるのはうれしいことだ。知念局をもっと発展させた形で何とか実現したいと思っている。

 ――郵便局への思いをお聞かせください。
 中西社長 旧特定郵便局は局長さんという管理者がいらっしゃって、我々のお店と似たようなところがある。特に接客やサービス、お客さまへの気配りなどは素晴らしい。
 例えば、仕事をしていても、お客さまが待っているなと気付いたら、仕事を止めてパッと対応してくれる。他の金融機関ではそうはいかない。全然違う。だから、お客さまが離れないのではないか。我々はもっと見習わないといけないと思う。