全国郵便局長会 宇野憲二理事(北陸地方郵便局長会会長)インタビュー「復興半ば、地域に寄り添う郵便局」

2026.01.30
――能登半島地震の発生から2年、復興状況や課題についてお伺いします。
 
宇野理事 11月上旬、勝又一明全特会長らが出席し、全国郵便局長会として能登半島地震復興支援会議を開催した。 
会議翌日には他の全特の理事と共に被災地を回った。能越自動車道やさと山海道など主な道路は自動車の通行が可能となったが、未だに復旧工事中のところや元の道路が復旧できず迂回したため湾曲した箇所がいたるところにある。また、倒壊した建物の公費解体は約9割が完了し、順調に進んでいるようだが七尾市などではまだ7割ほどで、一部地域や大型施設などでは遅れが見られる。復旧作業は継続しているが、そういう意味では復興はまだまだ道半ば。これからだと思っている。 
 
――復興支援活動の中で地元の局長の活動が評価されていますが。 
 
宇野理事 震災直後から現在まで、被災地の各局の局長は献身的な働きを示してくれている。頭が下がる思いだ。中には自宅が被災しているにも関わらず、率先して地域の住民の方々の安全確保、避難所の運営に携わり信頼を勝ち得ている局長もいる。
実は、局長の復興支援活動を目にして、局長の道を目指した人がいる。今年4月に福井県・奥名田郵便局の局長に就任した安田亨局長だ。地元の町の職員だったが、能登半島地震の被災地応援に派遣されたことを機に、彼の父が局長だったこともあり、「自らもより地域に密着した貢献活動をしたい」と決意して、町の職員を退職して郵便局長となった。
 
――北陸でも郵便局としての共創の取り組みが進んでいますね。
 
宇野理事 日本郵便とタクシー、ライドシェアの配車用のスマートフォンアプリを提供する大手企業のUber Japanは3月から石川県加賀市で公共ライドシェアのドライバーに、「ゆうパック」の配達の一部を委託する実証事業を始めた。ライドシェアのドライバーが、旅客輸送の合間などにゆうパックを配達する。このライドシェアにより、「ゆうパック」の配達担当者の確保につながる利点がある。
また、七尾市の南大吞局では、令和5年度に総務省の「地域の持続可能性の確保に向けた郵便局の利活用推進事業」として、郵便局におけるオンライン診療の実証実験が行われた。現在は終了しているが地域にお住まいの方からは、再開を待ち望む声が多いと聞いている。
 
――「郵政民営化法等の一部を改正する法律案」が継続審議となっています。
 
宇野理事 一日も早い成立を期待している。人口減少、少子化が進む中、特に地方では金融機関や地方公共団体の支所、出張所が廃止されるなど、生活に不可欠な生活インフラの維持が難しくなってきている。そうした中、何とか拠点数を維持している郵便局の果たす役割は大きい。こうした地域で郵便局を郵便、貯金、保険といったサービスの提供に限らず利活用していくことが地域で望まれている。
 
――後継となる中堅若手局長に望むことは。 
 
宇野理事 地域にどれだけ誠実に関わり、信頼を得ていけるかが大事だ。自治会などさまざまな地域の活動に参加して、地域のために何でも引き受けるという気概を持って臨んでほしい。そして地域から頼まれたことは絶対に断らずに積極的に取り組んでいくことが信頼につながる。
 

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