郵政関連法案、与野党で審議へ
郵政関連法案の今国会成立に向けて、3月13日に自民党内で総務部会、財務金融部会、金融調査会、郵政事業に関する特命委員会の合同会議で党内がまとまった。翌週には自民党と公明党で調整し、3月27日には与野党による実務者協議を開催。立憲民主党、国民民主党、日本維新の会等の主要野党からの法案提出への異論はなく、各党は条文案を持ち帰った。各党の議論で集約された意見は今後、実務者協議ですり合わせていく。
厳しさ増す郵政、速やかに進めるべき
自民党の総務部会、財務金融部会、金融調査会、郵政事業に関する特命委員会の合同会議の冒頭、郵政事業特命委員会の森山裕委員長は「昨今、郵政事業を取り巻く環境は日に日に厳しさが増している。ユニバーサルサービスの確保、郵政事業のさらなる発展に向け、さまざまな方策を積極的に検討する必要があり、昨年の衆院選公約には『郵政事業を取り巻く環境の変化に対応するため、法改正を行う』と明記した。2月に行った特命委と郵便局の新たな利活用を推進する議員連盟(山口俊一会長)との合同会議では『法改正を速やかに進めるべき』と多数の意見が出た。党として良い方向性を目指すことが大事だ」と呼びかけた。
総務部会の島尻安伊子部会長は「総務部会として郵政事業を取り巻く社会経済情勢の変化を踏まえ、これからも郵便局が地域において重要な役割を担っていただくための環境整備を積極的に後押ししていきたい」と意欲を示した。
財務金融部会の宮本周司部会長は「ユニバーサルサービスを提供する郵便局の機能を担保しなければならない。能登半島をはじめ、災害が起きた場所でも郵便局が機能することで、地域住民の方々に安心を届けていただいている。全市区町村が守られる中身ある法案として整えていただきたい」と強調した。
金融調査会の片山さつき会長は「石破内閣の看板が地方創生2.0。1年ぐらい前は『金融調査会は何をやっても反対する』と言われたが、皆さんと一緒に地域金融も郵便局も、地方創生を広められるよう郵活連の山口会長と最後は握手して法律が成立できるようにしようと申し上げている」と述べた。
郵政関連法案 提出へのうねり定まる
国会提出への大きなうねりができていく中で、3月27日には与野党の実務者協議も行われた。
自民党の実務者メンバーである柘植芳文参議院議員(郵活連事務局長)は「実務者協議では、法案そのものに異論のある政党は皆無だった。郵政事業は政局にせずに、全ての党が賛成する全会一致での方向で進めたい。少数与党のため、実務者の〝丁寧さ〟が必要だ。各党が一定のルールのもとで議論をし、再度、与野党協議の場にお戻しいただきたい。国民のために安定的に成長できる郵政事業にすること、地方創生や弱者の方々に寄り添う役目を果たす郵政事業にすることに異論はないと思う」と語る。
立憲民主党の実務者メンバーである奥野総一郎衆議院議員は「現場の局長の皆さんから、すぐにも審議できないか、とのご要望もいただいているが、まず各党が合意し、提出して、国会での審議となる。合意を取り付けるまでが第1段階。国民民主党や日本維新の会とも話をし、野党間で同法案をテーブルに載せて審議することを合意しなくてはいけない。できるだけ多くの党の賛同を得て共同提案するには時間がかかると思う。提出後に総務委員会が開かれれば審議できる」と話す。