増田日本郵政社長 郵便局活用案、キャッチいただける政権を

2024.10.29

 日本郵政の増田寬也社長は9月27日の記者会見で冒頭、「奥能登中心の大雨被害にお見舞いを申し上げたい」と述べた。同日は記者団から「自民党新総裁に石破茂元幹事長が選出された」ことや「各候補が郵便局ネットワーク維持に言及していたが」などの質問が相次いだ。増田社長は「石破新総裁は地方に自ら足を運ばれ、人口減少問題も深く考えておられる。知見や感覚を生かし、骨太の大きな絵を描いて強力なリーダーシップで国を導いていただきたい」と期待を懸けた。また、「地域を支えるために郵便局ネットワークがどう活用できるのか。まず会社がよく考え、どんどん提案したい。うまくキャッチいただける政権を期待している」と語った。

石破総理の〝諦めない力〟を称賛

 増田社長は記者団の「自民党の総裁選で石破元幹事長が選出された受け止めを」との質問に対し、「5度目の挑戦でとうとう総理に就かれる。私も存じ上げ、大変尊敬申し上げる方」と称賛した。
 「今、日本が抱える問題は多岐にわたる。時代が大きく変わる中、テレビで熱く地方創生について話されていた。人口減少問題も深く考えておられる。地方創生の初代担当大臣として2年ほど務められたが、郵便局の在り方にも関係する問題だ。我々も一層、地方創生における郵便局の活用を考えたい。外交、安全保障、経済、財政、社会保障の持続可能性、人口減少等々、非常に大きな問題に、骨太の大きな絵を描いて強力なリーダーシップで国を導いていただきたい。人口減少問題は東京と地方の対立が激化し、地方は空虚、空白、希薄になる気がする。石破総理は、地方に自ら足を運ばれ、詳しい方。知見や感覚を生かし、骨太の大きな絵を描いて国を導いていただきたい」と期待を懸けた。
 「総裁選では郵便局ネットワークの維持を趣旨とする発言が他候補からも相次いだが、そうした文脈における要望等は」には「何人かの候補の方が『これから日本は特に地方で郵便局ネットワークの活用が重要』と主張されていた。石破新総裁に考えをお聞きしたいが、私どもは郵便局運営会社。全国に既にある拠点という成り立ちから見ても、地域貢献が大事と会社の経営理念でも明確にうたっている。人口減少で地方経済が衰退し、活力を失う中、地域を支えるために郵便局ネットワークをどう活用できるのか。まずは会社がよく考え、どんどん提案したい。うまくキャッチいただける政権を期待している」と語った。

増田社長「まずは会社が」地方創生案を

 郵湧新報の「①オンライン診療など医療との連携を含めた〝コミュニティ・ハブ〟としての郵便局②今後の防災体制」には、「郵便局でのオンライン診療は、医療資源が枯渇する中、特に過疎地の医療を支える上で重要。厚生労働省も都道府県への補助金を制度化してオンライン診療の促進に動いている。愛媛県宇和島市や山口県周南市の郵便局で実装、石川県七尾市、山口県平郡島、広島県山県郡でも実証事業が行われている。ニーズはある。オンライン診療の広がりに合わせて郵便局も進めたい。自見はなこ地方創生担当大臣が熱意を持って取り組まれていた。通信整備も必要で郵便局単独では進められないため、整備いただくことが重要」と意向を示した。
 「能登では今、閉局している郵便局が多い。被災地を考えると公共性を持つ地域の拠点として郵便局は重要だ。防災担当部局、内閣府の政策統括官が責任を持つが、県部局辺りに相談し、何ができるかを考える必要がある」と指摘した。
 同日の会見では、全国で初めてスマホをかざし、一瞬で荷物の寸法を測れる「ぽすめじゃー」や、2023(令和5)年2月から試行されていた「郵便局の空き家みまもり」が好評だったことを受けた本格始動も発表された。このほか、郵便局でクロスセル同意未取得の顧客の貯金等の非公開金融情報を利用し、保険募集目的に来客誘致を行った事案に厳重な対応を検討中と説明が行われた。