長谷川議員が国会質問 総務委員会で

2023.12.21

 長谷川英晴参議院議員は11月9日の参議院総務委員会で「郵便局が果たすべき地域貢献の役割」を質問し、鈴木淳司総務大臣が「郵便局が地域を支え、課題解決に貢献いただけるよう必要な取り組みを進める」との発言を引き出した。また、長谷川議員は「そのための具体的な施策を検討すべき」と求め、玉田康人総務省郵政行政部長が「郵便局の自治体窓口業務の受託のさらなる普及につなげるよう取り組む」と応じた。長谷川議員はさらに郵政OBの集落支援員として活躍を推奨したほか、五味裕一消防庁次長に郵便局舎の防災活用を推奨した。

地域の行政維持〝オール郵政〟の人財と局舎で

 長谷川議員 郵便局は地域住民の生活を支える重要なインフラとして、郵便物の取り扱いや金融サービスの提供に加え、地域の活性化や人々の交流促進など、さまざまな役割を担っている。鈴木大臣も所信で「郵便局におけるマイナンバーカードの交付事務など、行政サービス窓口としての役割を拡大し、地域貢献を促進する」と述べられた。どのように考えているかお聞きしたい。
 鈴木総務大臣 人口減少が進む日本の地域社会で約2万4000のネットワークを持つ郵便局は地域の住民サービスの最後の拠点。自治体窓口業務に加え、スマホ教室やオンライン診断の実証など、地域の実情やニーズに合わせた取り組みへの期待もますます大きくなっている。
 長谷川議員 島根県西ノ島町では、島内の全郵便局に行政事務を委託した。また、熊本県天草市では今年9月に市議会で、市内25カ所の出張所のうち22カ所を来年10月に廃止し、郵便局に窓口業務を委託することを決めた。郵便局への業務委託によって、出張所機能を維持しながら大幅な経費削減が見込まれる。見解を伺いたい。
 玉田郵政行政部長 9月末現在で、5858局が412自治体から受託している。自治体窓口業務を郵便局が受託する重要性は高まっている。情報通信審議会における議論を踏まえ、自治体向けのアンケート調査も行い、課題の把握にも努め、さらなる普及に取り組んでまいりたい。
 長谷川議員 総務省は今年3月に郵便局を活用した地方活性化方策を公表し、元郵便局員等の集落支援員への活用の検討を示された。局長はじめ社員は、地域に密着し、住民の生活を支える重要な役割を担っている。
 郵便局は、地域の拠点としてさまざまなコミュニティー活動の場にもなっている。元郵便局社員が集落支援員となることで、地域の問題解決や住民の交流促進に交流できる。
 山越伸子地域力創造審議官 今後、自治体や日本郵便に対して事例の周知に努め、地域に根差した元郵便局員の方々の力を生かした集落支援などの取り組みを推進していきたい。
 長谷川議員 郵便局と包括連携協定を締結する市町村は44都道府県、1389市区町村。集落支援員は兼業も可能。郵便局に集落支援員の業務を委託できると、過疎地の住民はより身近な存在から支援を受けることが可能になる。
 一方で、消防庁は6月30日、都道府県防災担当に対し、防災分野における自治体と郵便局が連携した取り組みの推進についての通知を出された。高知市では、郵便局の局舎を津波避難ビルとして指定しているが、災害発生時に避難所をすぐに見つけることが難しい場合がある。目印があれば避難所をすぐに見つけられ、安全に避難することも可能になると思う。
 五味消防庁次長 避難場所や避難経路を分かりやすく示した避難標識の整備、津波による浸水区域や避難場所を示した津波ハザードマップの普及啓発、地図上に避難場所を示す防災アプリの活用、実践的な訓練の実施などを進めている。今後、自治体と連携し、住民や観光客が迅速に避難できるよう取り組んでまいりたい。