沼袋浩全特理事インタビュー「地公体と対話重ねて未来を拓く、現場が明るい展望持てる中計を」

2026.02.28
――全特専門委員会では何をご担当されていらっしゃいますか。
沼袋全特理事 事業改革・営業推進専門委員会の主任理事、基本問題専門委員会と置局・局舎専門委員会の担当理事で、基本問題専門委員会の中にある防犯PT座長を務めている。

地公体との連携強化が必須

――郵便局ネットワークの全体の収益を確保するための方策とは。
沼袋理事 生活を支える2万4000局を維持するためには地方公共団体との連携強化が必須だ。行政事務の包括受託や買い物支援、オンライン診療等々さまざまなサービスを展開し、積み上げていけば収益にもつながると思う
 
――北海道の郵便局は地公体とのつながりが深いように思えます。
沼袋理事 北海道支社(坂東秀紀支社長)は現場の意見を真摯に丁寧に受け止めるとともに北海道とも良い関係を築かれている。
 
昨年、鈴木直道北海道知事からの要望を受け、これまでの北海道と北海道支社間の協定を見直し、北海道と日本郵便本社が包括連携協定を締結した。鈴木知事と年に何回か面談の機会を作り、郵便局としてお願いしたいこと、知事からは「郵便局でこんなことはできないか」とお話いただいたりもしたが、日本郵便本社を通さなければ難しいものも多かったため、北海道と日本郵便本社とが連携協定を締結することで早期に実現できるのではと提案したところ、小池信也日本郵便社長が快く受け入れてくださったようだ。
 
――ライドシェアや健康相談も注目されていますね。
沼袋理事 地域貢献あっての地方創生だ。十勝地方において人口減少していない唯一の町である上士幌町での郵便車両を使用した公共ライドシェアの実証事業は国土交通省が貨客混載に舵を切ったことで実現した。竹中貢上士幌町長は移住促進にも力を入れ、町内では無人運営のスマートストアが営業していたり、自動運転バスが定期運行している。また、ドローン配送を含む新スマート物流を事業として展開されている
 
一方、私のふるさとは浦幌町。井上亨浦幌町長に「郵便局はこういうこともできます」と話した際、町長からは、「浦幌町立診療所」の医師不足等限られた医療体制の中での町民の健康管理を危惧されていた。郵便局での健康相談を総務省の実証事業としてできないか、久保博史浦幌局長が率先して動き、多くの方々の協力のもと、昨秋に郵便局と浦幌町、民間企業の三者による郵便局でのオンライン終活・健康相談が実現。ぽすちょこ便で地産地消の産物も流通に乗せるなど「郵便局を拠点とした医療・流通一体型健康推進モデル実証事業」は、地域の方々が抱える「将来への不安」を包括的に解消する画期的な事業だ
 
――若手人材育成については。
沼袋理事 昨年の全特札幌総会では、実行委員会に道内の20地区会の中堅・若手局長のリーダーが準備段階から参加し、苦労と喜びを分かち合った。日頃から後継者育成を発信し、地区会ごとにセミナーを開催して意見交換の中で横のつながりを深め、社員にも局長会のことを丁寧に伝える機会も作っている。
 
――次期中期経営計画や「郵政民営化法等の一部を改正する法律案」について期待されることは。
沼袋理事 未来の土台作りに向けて現場も明るく展望できる中期経営計画が望みたい。人口減少や少子高齢化が進む社会や経済環境が激変する中、特に地方は地方公共団体の支所や出張所、金融機関の支店、商店等が無くなっていく中で唯一の生活インフラの役目を果たせるのは郵便局だけになっているところも少なくない。将来にわたって郵便局ネットワークを維持し、地域発展のために、長谷川英晴先生、いんどう周作先生、関係者の皆さまと連携を強化し、法案の早期成立を目指していきたい。

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