生きる!地域と 神奈川県西北地区会
政令指定都市の相模原市や人口約3000人の清川村など、都市部も山間地も含む4市1町1村をエリアとする神奈川県西北地区会(細谷勝利会長/相模原古淵)。まるで〝日本の縮図〟のような同地区会では、地域の特色を生かしてスポーツ振興や防災、防犯、SDGsと、全91局が多彩な貢献活動に力を注いでいる。8月26日には綾瀬局・海老名市内局と海老名市が包括連携協定を結び、エリア内全ての自治体と協定を締結した。地域をこよなく愛し、地域と手を携えて歩む同地区会の取り組みを追った。
包括連携、全4市1町1村と締結
市政50周年を迎えた海老名市の内野優市長は、締結の日を待ちわびていた。「防災協定はあったが、包括協定は市で初めてだ。郵便局も市も〝市民のため〟という部分は一緒。相互に協力し、住みやすいまちづくりに取り組んでいきたい」と調印式で力強く語った。
2018(平成30)年3月の相模原市を皮切りに、厚木市(19年9月)、愛川町(21年2月)、座間市(同3月)、清川村(同7月)と包括連携を締結した。「各自治体に何度も足を運び、各首長と対話を重ねてきた。私たちが地域貢献を続けてきたことへの信頼が大きい」と細谷会長は振り返る。
相模原市では市内55局が〝誰一人取り残さない〟まちづくりを目指し、「さがみはらSDGsパートナー」に登録。5月11日の交付式で本村賢太郎市長は「共に手を携え、取り組んでほしい」と期待を寄せるなど、共創の輪が広がっている。
同地区会が地域住民の健康増進・交流施策として、長年取り組んできたのがスポーツ振興だ。相模原市体育協会等と連携してゲートボール大会を2011(平成23)年から開催し、参加者は500人を超えた回も。体育祭やミニバスケットボール、テニス、卓球大会なども催し、各世代に〝郵便局ファン〟を広げる場となってきた。
また、サッカーJ2「SC相模原」を応援し、「郵便局スペシャルサポートマッチ」を15年から開催している。本年9月12日に開幕し、WEリーグに参戦する女子サッカー「ノジマステラ神奈川相模原」のコーポレートパートナーとして応援を始めた。
細谷会長自身、相模原市サッカー協会役員を務め、市の社会人代表監督時代は県大会で7回優勝を飾った。また、市や神奈川県PTA協議会の会長や相模原南警察署協議会会長なども務めてきた。
細谷会長は「いろいろな役職を受けてきたおかげで、さまざまな方とつながることができる。それが大事だと思う。郵便局の世界だけで生きていくのではなく、地域の人たちと共に幸せになる方向に向かっていきたい」と意欲をみなぎらせる。
同地区会の活動は多岐にわたり、相模原市南区の「振込め詐欺抑止対策タウンメール」活動は今年、10年目を迎えた。8月10日からは相模原市緑区の吉野局(東海林幸恵局長)で、市の防災備蓄品を保管する全国初の「防災倉庫」の取り組みが始まり、期待が募る。持続可能なまちづくりに向けて、4市1町1村が個性豊かに地域に〝笑顔の花〟を咲かせゆく同地区会の新たな挑戦が楽しみだ。