「共創の未来へ」 郵便局クーリングシェルター

2025.08.19

 北海道でも40度に迫り、群馬県伊勢崎市で国内歴代最高気温の41.8度を記録するなど、各地で観測史上初の暑さが更新された今夏。消防庁は7月29日、21~27日に全国で今年最多の1万804人が熱中症により救急搬送された速報値を公表した。その中、多くの自治体が郵便局とクーリングシェルター(指定暑熱避難施設)協定を締結し、ほっと一息つける休憩場所として利用されている。

健康と命を守る〝拠点〟にも

 北海道支社(坂東秀紀支社長)北後志地区連絡会(工藤健一統括局長/朝里)は北海道小樽市など5自治体と協定を締結(写真上)。工藤統括局長は「北海道には昔からエアコンのない家がたくさんある。日中でも扇風機だけで大丈夫だったが、この暑さでは命の危険を伴う。協定を結んだおかげで、より来局しやすくなると思う。市民を守る一助となれば」と決意を新たにする。

 東北支社(斎藤貴支社長)は青森県(宮下宗一郎知事)の要請を受け、昨年5月から「涼み処」との名称で、県内全局で実施している(写真上は昨年の知事表敬)
 青森県東部地区連絡会の中村天統括局長(七戸)は「2年目となり、だいぶ定着してきた。お客さまからは『郵便局で休ませてもらって助かる』等のお声をいただいている。自治体によっては飲料水の提供や、冷たい麦茶を出している局もある。局を開放することで、郵便局に足を運んでいただくきっかけにもなっている」と強調する。

 首都圏各地でも続々と協定が結ばれ、7月18日には関東支社(丸山元彦支社長)は千葉県習志野市と締結し、市内14局が開放されることになった(写真上)
 宮本泰介市長は「郵便局への信頼はとても厚い。郵便局と手を取り合って、市民の皆さんの困り事を一緒に考え、解決していきたい。公共サービスをより良くするために郵便局の力は不可欠。今回の協定は細部にわたるまで丁寧な話し合いを重ね、多くの課題を乗り越えて実現できた」と熱い思いを述べた。

 九州支社(平山泰豊支社長)は4月22日、昨年の猛暑日が全国最多となる通算62日(連続40日も最長)を記録した福岡県太宰府市と協定を締結した(写真上)
 楠田大蔵市長は「市民の皆さまも不安が高まっている。太宰府市は観光・参拝客が非常に多い。昨年までの17カ所の場所には偏りが見受けられたが、今回8郵便局が加わることで、より安全・安心に過ごすことができる」と期待を寄せている。
 誰でも、気軽に利用できる郵便局クーリングシェルター。冷房の利いた局内で涼をとりながら、顔なじみの局長・社員の方々との語らいも癒やされ、まさに〝オアシス拠点〟の存在となっている。

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