インタビュー 國定勇人 衆議院議員
――郵便局が公共サービスを担えるよう、地方財政措置創設等の公的支援を行うべきと昨年2月に国会質問されたことが実現しました。
國定議員 2023(令和5)年度から郵便局を通じたマイナンバーカードの普及・支援のために、携帯電話ショップのあるなしにかかわらず、郵便局型キオスク端末導入経費を通常の予算とは別枠の特別交付税措置として計上された。人件費等の運営経費は実らず、端末の設置費用に限定されたが、総務省内で自治行政局と真摯に調整し、大きな扉を開いてくれた郵政行政部の尽力に感謝するしかない。
郵政事業の持続性に追い風PT
――「郵便局の新たな利活用を推進する議員連盟」(山口俊一会長)で、いよいよ改正郵政民営化法の一部改正の検討がPTで始まりますね。
國定議員 日本郵政の金融2社の株式保有比率が下がる中、郵政三事業を未来永劫に堅持し続けることができるか、遠心力が働けど求心力が働くこととはかけ離れた状態になるとの危機感のもと、法改正によって担保できる仕掛けをつくれないか、との山口議連会長の主旨に皆が賛同した。
柱は、全株処分でなく一定比率の制限創設や日本郵政と日本郵便を一体化できる体制。また、市町村の集約化が図られて農協等も撤退する中、地域の最後の砦としての郵便局の位置付けを法的に補強するネットワーク維持を目的に、金融2社株の売却益を原資に積み立てる基金創設などだ。
さらには、今は郵政事業にはかかっていない外資規制をNTTのように一定程度課していく検討も視野に入れられている。
持続的な財源を確保しながら制度改正に臨むことを山口会長は決断し、プロジェクトチームを議連内に設けた。郵政事業の持続性の観点から見ると、すさまじい追い風だ。自分もPTに参画できるのならば、一兵卒となって最大限下働きさせていただきたい。
調整作業の中で相当な紆余曲折はあると思われるが、それでも、舵を切っていこうと山口会長は宣言された。改正法施行から11年を経て、見直しの〝時〟は来た。