生きる!地域と 山梨県南アルプス市
自治体の課題解決へ、郵便局が橋渡し役を担う地域振興施策が進んでいる。南関東支社(一木美穂支社長)は山梨県南アルプス市(金丸一元市長)と連携し、KITTE名古屋で9月9・10の両日、物産展を開催。絶品のシャインマスカットやスイーツ、地元ワイン等の販売のほか、KITTE内3店舗で特製デザートを提供するなど盛況を博した。
KITTE名古屋で物産展が盛況
午前11時の開始前から販売ブースはずらりと列をなし、約2時間でシャインマスカット200箱が完売。ケーキも次々に売り切れ、2日間とも大好評のうちに幕を閉じた。
山梨県西部地区連絡会(三神一朗主幹統括局長/昭和)南アルプス部会の三木孝悦部会長(鏡中條)と矢崎智之地方貢献担当局長(白根源)は「数年前から市との協議を続け、中京圏への販売拡大を郵便局がどう応援できるか検討してきた。昨年8月に中部横断自動車道が開通し、南アルプス市へのアクセスが便利になったこともあり、今回の開催意義は大きい」と力を込める。
KITTEのレストラン3店舗では、開催前からチラシやポスターでPR。シャインマスカットを使った2週間限定メニューも大人気で、店舗のオーナーからは「非常においしくてお客さまに大変喜ばれた。できれば継続したい」との声も上がるなど、ビジネスが広がる可能性も見えた。
過去最高益、ふるさと納税も連携
南アルプス市と実質的な検討を続けてきた矢崎局長は「市の物産展として一番規模が大きく、売れ行きも過去最高となった。市に足を運ぶきっかけになれば」と語る。
同市とは2019(令和元)年11月に包括連携協定を締結し、昨年6月から支社管内73局にふるさと納税のパンフレットを設置。物産展の会場にもふるさと納税コーナーが設けられ、市のLINEの友だち登録は両日で200名を超えた。
同市観光推進課(飯野一幸課長)の宮川正明副主査は「郵便局の皆さんのおかげで、KITTE名古屋や各会社をつないでいただいた。連携協定が結ばれたことでKITTEの利用料が半額になったことも大きい」と述べた。
JPビルマネジメントの担当者は「名古屋の人は今まで山梨にはあまり目が向かなかったが、南アルプス市を知ってもらう良い機会となった。今後、他の自治体にもKITTE名古屋を使っていただければ」と期待を寄せる。
南関東支社はこれまで、NPO法人フードバンク山梨に年賀寄付金を贈呈。また、南アルプス部会を中心に局長会82局と夫人の会は昨年11月に食料品等を寄付するなど、郵便局ネットワークの貢献活動に称賛が寄せられている。