北海道初!郵便局活用のオンライン診療 北見幌内局で始動

2026.03.08

北海道支社(坂東秀紀支社長)の北見幌内郵便局(雄武町)は1月27日、広域紋別病院(紋別市)とインターネットでつなぎ、オンライン診療や薬の処方を受けられる事業を始めた。日本郵便は過疎化や高齢化などで医療機関へのアクセスが難しい地域で郵便局を活用したオンライン診療の支援業務に取り組んでいるが、道内の郵便局では初めての受託となる。

対面診療に近く看護師触診も

オンライン診療・服薬指導の仕組みは、紋別市内の広域紋別病院から派遣された看護師と、病院の医師がパソコン画面を通じてオンラインで患者を問診し、必要な薬の処方を行う。看護師は必要に応じて触診や採血などを行う。薬は後日郵送で患者宅に配送される。患者は受診後に手交される払込取扱票により診療費と薬代を郵便局の窓口で支払うことで診療が完結する。

オンライン診療の対象者は同病院に通院歴のある住民で、前週の金曜日までに病院へ予約する仕組み。同病院では、3月までは月1回、4月以降は需要に応じて月1~2回実施したい考えだ。局舎のある幌内地区は雄武町北部のオホーツク海に面した集落で約80世帯が暮らすが近隣に医療機関がない無医地区。広域紋別病院まで50㌔㍍以上あり、通院するにはバスを乗り継いで片道1時間以上かかる。

初日の27日は午前11時過ぎに幌内地区の60代女性が受診し、曽ヶ端克哉院長が問診した。この地域は1月下旬には流氷が沖合に現れ、最低気温はマイナス10度以下になる。この時期に往復2時間以上の通院は大変だが、オンライン診療のおかげで自宅から徒歩5分の郵便局を訪れればすむようになり、格段に便利になったようだ。

同局では、高齢の方が窓口ロビーからスムーズに診療場所へ入室できるよう動線を確保し、新たに広めの入口を造り、来客対応に使用している部屋に病院側が用意したパソコンと通信環境を設置してプライバシーを確保できるようにした。本番を前に、1月20日まで病院の事務員などとリハーサルを兼ねた打ち合わせで通信環境や画像などを繰り返しチェック。入念な準備をしてきた。五十嵐寛局長は「幌内地区は高齢化も進んでいて、通院には時間もコストもかかるのでご高齢の方には負担が大きい。地域に必要なサービスとして継続的に取り組んでいきたい」と話している。

日本郵便のオンライン診療は23年から実証がスタートし、24年から山口県周南市などで実装。北海道紋別市は全国3例目となる。広域紋別病院事務部医事課の西塔信弥課長は「wi-fiの通信や画像、電子カルテの表示も診療に支障がなかった。当院はへき地医療拠点病院に指定されており、郵便局と協力してほかの地域にも広げていきたい」とオンライン診療拡大に意欲を示している。

北海道では十勝管内で浦幌町が「オンライン健康相談」、更別村が「まちの保健室」など郵便局を活用した地域支援サービスを始めている。北見幌内局でスタートしたオンライン診療は道内の各地区郵便局長会などでも話題になっており、今後、無医地区の支援サービスとして導入が広がる可能性がある。

坂東支社長は「曽ヶ端克哉院長は看護師が患者の予約時間に出向いて触診し、画面上の専門医師に報告しながらオンラインで診療するという、対面診療に一層近い形で診療ができる体制を作ろうとされている。慢性疾患の方は病院が遠いと行かないことが多いと聞く。過疎地医療の切り札となる形ができればよいと思う」と期待を寄せている。

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