インタビュー ゆうちょローンセンター 矢﨑敏幸社長

2023.11.23

 郵便貯金の長い歴史の中で、初の貸付業務となる「口座貸越サービス」の受け付け・保証業務を担うのがゆうちょローンセンター㈱だ。11月からは新規契約者の借入金利を1カ月間、年14.0%から年1.0%に引き下げるキャンペーンを好評実施中(来年1月末まで)。関東・近畿支社長時代を含め、一人一人と心を結び、信頼と実績を築いてきた矢﨑敏幸社長は「郵政事業の基盤は郵便局。お客さまとコミュニケーションを取っていただき、サービスをご利用し続けていただくことがグループ全体の発展に必要不可欠」と意欲を示している。

郵政事業の基盤は郵便局

 ――6月の社長ご就任以来、取り組まれてきたことは。
 矢﨑社長 口座貸越サービス開始から2年がたつが、まだご存じない方も多い。どうすればお申し込みいただけるのか、現場の知恵もお借りしながら、ゆうちょ銀行ローン営業部と検討を重ねている。
 郵便局の中でも積極的に頑張っていただいている秋田県南部地区連絡会(土田欣洋統括局長/湯沢前森町)を訪問して伺ったところ、自動払込みやかんぽ契約者貸付の利用者さまへのアプローチ等で大きな成果を上げられていた。
 おなじみの「つぶらなカボス」の段ボールを再利用したチラシスタンドがお客さまの目に留まり、画期的だと他支社管内にも広がっていることを聞き、驚いた。
 現場には知恵が無限にある。役員局長の旗振りのもと、皆が同じ方向を向いて頑張り、お客さまにも喜んでいただけるのがエリマネ局、連絡会の強みだと思う。
ゆうちょ直営店でも大阪支店、都島店、北本店が特に頑張っていただき、その取り組みを横展開されている。

暮らし支える口座貸越サービス

 ――改めて口座貸越サービスの魅力とは。
 矢﨑社長 払戻しや引落しの際、ゆうちょ口座の残高不足分を自動的に融資するもので、お持ちのキャッシュカード・通帳でご利用いただける。例えば、給食費の引落しで口座を開設されたお客さまにお勧めしたところ、「それは安心。つい忘れちゃうことがあるのよね」と契約していただいた。いざという時、絶対お役に立てる安心商品。
 金利引き下げキャンペーンも始まり、全ての郵便局でご案内いただければありがたい。

 ――これまでのご経歴や今後の展望は。
 矢﨑社長 郵政省時代は貯金局が長く、民営化時に郵便局会社に移った。現在、通算34ポスト目。自他共に認める〝便利屋〟だが、多くの部署でご縁を結び、仕事をさせていただいたことは宝となっている。
 特に、関東支社長・近畿支社長時代は、支社、局長、社員の皆さんが同じ方向を向いて頑張ってくれ、心から感謝している。
 当社は発展途上にあるが、ゆうちょ銀行にとって初の与信業務であるため、審査のノウハウを積み上げ、グループ内の保証会社として、さまざまな分野に貢献していければと思う。
そのため、人材の育成が特に求められる。社員に対しては、業務に誠心誠意を尽くすことはもとより、口座貸越サービス全体の発展のため、〝自分は何ができるのか〟という視点を持つように話している。
 一人一人を大切にし、働きがいのある会社にしていきたい。