インタビュー 与那覇寛信 沖縄地方会副会長
沖縄地方会(伊志嶺豊和会長/宮平)の与那覇寛信副会長(下地)らに郵便局の現況や展望を伺ったところ、共通したのは、やはり〝リアル〟を置き去りにしてはならないことだった。
フリマ教室等でゆうパック増も
――地方創生で注目される取り組みは。
与那覇副会長 沖縄県の子ども貧困率は全国平均の約1.8倍。そこで、県内12の自治体、社会福祉協議会と子どもの貧困対策に関する協定を結び、126カ所の郵便局で「フードドライブ」に取り組んでいるが、大変好評だ。昨年は総務省の郵便局活性化推進事業の一環で、石垣市の二つの郵便局が行政手続きの煩雑さを解消する「デジタル技術を活用した行政手続サポート」の実証実験を行った。ITに詳しくない方の行政手続きを郵便局がお手伝いすることで、マイナンバーカードの普及推進にも役立つと考えた。
――郵政創業200年に向けた「リアル×デジタル」化は。
与那覇副会長 私の周りでもJA等の統廃合が進み、ATMは残っても金融窓口がなくなって、JAの移動式バスが週何回か巡回しているが、地域の方からは「不便になった」との声を聞く。JPビジョン2025で「リアル×デジタル」の融合が掲げられている。デジタル化は確かに重要だが、ITに詳しくない方々が不便にならないようリアルな窓口での優しい対応が不可欠だと強く感じる。
――ゆうパックを増やすアイデアを。買い物の利便性確保などは。
与那覇副会長 地元特産品をカタログ等に掲載し、郵便局ネットワークを活用し全国に販路拡大を図るのが最も手っ取り早い方法だと思う。沖縄ではフリマアプリ教室の開催などを通じ、ゆうパック利用を促している。離島といわれるような地域の中にはコンビニもなく、住民の方々は船・飛行機でスーパーのある島へ買い出しに出掛けなくてはならない。郵便局の窓口で注文し、ゆうパックで配達ができれば利便性は大きく改善すると思う。