インタビュー 岸和田市 佐野英利市長

2025.10.20

 29歳から岸和田小松里郵便局の局長を15年間務め、今春、岸和田市長に就任した佐野英利市長は元国会議員秘書。故中山太郎元外務大臣退任時に自らも退職し、親戚の久保博史統括局長(大阪府南部地区連絡会/和泉池上)の勧めもあって管理者試験に合格して郵便局の世界に飛び込んだ。生まれは同市に隣接する貝塚市だが、中学進学を機に大好きなサッカーにより一層熱心に取り組むため、岸和田市で暮らすようになった。そして社会人となり、国会議員秘書・郵便局長として仕事をする中で、岸和田のまちに活気がなくなる姿を憂いていた。佐野市長は「元気な岸和田を取り戻したい。〝だんじり〟だけでなく、観光プラスアルファで移住もしたくなるよう『日本一のスポーツのまち岸和田』のブランディングを目指したい」と話す。

〝元気な岸和田〟復活ドラマを

 ――改めて市長就任のご抱負をお願いします。
 佐野市長 私が子どもの頃の岸和田市は泉州地区の中で最も活気があったが、今は活気が失せ、歯がゆい思いがあった。何としても〝元気な岸和田〟を取り戻したい。市民に「佐野市長になって市政が良くなったね」と言っていただけるよう走り続けたい。何のためにここにいるのか、その意味を自らに問いかけながら実行していきたい。
 5年間務めた郵便局長職は、局のやり方等を自分でかじ取りでき、やりがいも感じた。局長仲間も社員の皆さんにも恵まれ、コミュニケーションを取りながら営業も地域活動も頑張れたことはかけがえのない財産だ。これまでの経験やその財産を生かし、これからの市政運営に取り組んでいく。

 ――市の課題をどう感じ、どのように活性化されたいですか。
 佐野市長 市の課題解決に向けて就任直後の5月からタウンミーティングを市内24小学校区で順々に開催し、ほぼ一巡できた。対話の中で感じたのは、さまざまな公共サービスを適正規模や適正配置で見直さなければならないことだ。人口が多い時代を踏襲した行政体制では財政規模からも成り立たない。
 〝元気な岸和田〟は、スポーツを主体に創っていきたい。先般、セレッソ大阪の森島寛晃会長に「さまざまなスポーツイベント時に子どもたちとトップアスリートとが触れ合える機会をいただきたい」とお話しした。世界陸上1万㍍6位に輝いた廣中璃梨佳選手等、素晴らしい日本郵政グループ女子陸上部の選手陣にもぜひお願いしたい。

 ――郵便局との連携の展望を。
 佐野市長 拠点が万遍なくある郵便局は、市にとって貴重な存在であると感じている。局長時代に何度も「マイナンバーカード関連業務の受託」を市に交渉に伺っていた。その下地もあって、市長になって3カ月後の7月から市内全27局で申請支援の委託を実現できた。
 今夏も猛暑が続いたが、クーリングシェルターは国が定めた熱中症特別警戒アラート発令時のための避難施設だが、その手前でも具合の悪い人が出る。アラート発令前にも避難できる大阪府独自の「クールオアシス」の場を郵便局にお借りできるよう森振一郎局長(岸和田岡山)をはじめ、市内の局長と打ち合わせている。
 加えて、岸和田市は漁獲高と農業生産が共に大阪府内トップクラス。来年11月14・15日に国民的行事である「第45回全国豊かな海づくり大会~魚庭(なにわ)の海おおさか大会」が岸和田で開催される。農業、漁業も郵便局と連携し、盛り上げていきたい。