新春所感 全国郵便局長会 末武晃会長

2025.01.15

 つつがなく新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。昨年の能登半島地震や自然災害で被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
 昨年の能登半島地震や自然災害で被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

変化を発展へとつなげる力に

 昨年は社会のデジタル化や少子高齢化の進展、さらには大きな自然災害など、私たちを取り巻く環境は変化の連続だった。
 特に郵便局では、新しい買い物サービス「おたがいマーケット」の開始や、空きスペースを活用したオンライン診療・服薬指導の実証実験、郵便集配車両を使用した貨客混載の実証実験が行われるなど、まだ途に就いたところではあるものの、郵便局の新たな未来を感じさせる年だった。
 また、昨年5月には、全特団結の象徴である通常総会を、約1万人が愛知県名古屋市に集い、コロナ禍前の本来の形で開催することができ、大変うれしく思っている。
 しかしながら、世界的に見れば、ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルのガザ地区侵攻が長期化し、中国、北朝鮮の動向が懸念されるなど憂慮される国際情勢が継続している。また、日本郵政グループの現状に目を向けると、依然として郵便物等の減少、銀行手数料や保険手数料の減少が継続し、歯止めがきかない状況になっている。
 本年もこれらのことをしっかりと胸に刻み、前に向かって進んでいけるよう一層の努力をしてまいりたい。

地域の皆さまと共により良き未来を

 本年の干支は、「乙巳(きのとみ)」。古くは飛鳥時代に中大兄皇子・中臣鎌足らが蘇我入鹿を宮中にて滅し、蘇我氏を滅ぼした「乙巳(いっし)の変」、「大化の改新」が起きた645(大化1)年が「乙巳」の年であったとのこと。また、近年では、日露戦争の日本海海戦、ポーツマス条約締結が1905(明治38)年の「乙巳」の年だった。
 「乙巳」の年は「再生や変化を繰り返しながら柔軟に発展していく」とのことだが、時代が大きく変革することを予感させる年でもある。
 私たちの使命は、地域の皆さまに郵便、貯金、保険のサービスを確実かつ安定的に提供していくこと。さらに地域に寄り添い、地域に合致したサービスを提供していくためには、柔軟な思考を持って法的な枠組みを改め、最新のデジタルテクノロジー等を活用しつつ、安心して働き、笑顔でサービスを提供することのできる環境としていくことが不可欠と思っている。
 また、私たちの使命は創業以来、諸先輩が築き上げてきた地域の皆さまからの大きな信用、信頼に応え、地域の方々と共に、より良い未来を築き上げていくことにほかならない。
 全特は、あらゆる機会を通じ、この実現に向けて積極的に取り組んでいくことを固くお誓い申し上げるとともに、皆さまにとって、新しい年が夢と希望に満ちた明るいものとなることを心より願っている。
 結びに、私の地元、山口県萩市に生まれた幕末の思想家、吉田松陰先生の「志定まれば、気盛んなり。」を本年は申し上げ、年頭の挨拶とさせていただきたい。本年もよろしくお願い申し上げます。