インタビュー 全国郵便局長会 丸山徹雄理事(信越地方会会長/松本城西)
全国郵便局長会(末武晃会長)は12の地方郵便局長会の力が源泉となっている。今回は丸山徹雄全特理事(信越地方会会長/松本城西)に郵便局、そして地域への熱い思いを語っていただいた。
個性輝く〝地域ならでは〟の局を
――信越地方会は自治体との絆が強いですね。
丸山理事 現場の皆さんのおかげで各自治体との関係は大変良好だ。包括事務受託も今、動きが活発化している。
今は特に、マイナンバーカード関連業務の受託に力を入れており、先日は長野県の主催で、市町村向けにマイナカード関連業務の郵便局委託に関する研修会を開催していただいた。
この10月には、長野・新潟両県議会で、郵政民営化法の改正に対する総理・総務大臣等に宛てた意見書が、それぞれ全会一致で可決された。両議会とも、郵政事業への理解が大変深い。郵便局ネットワークの維持は、地域にとって重要との認識を持っていただいている。
――地域住民の利便性向上に向けた施策も展開されています。
丸山理事 今年2月には、地方鉄道初の駅一体局である「大屋駅郵便局」が誕生した。木造で、ぬくもりのある立派な造りで、地域の〝顔〟としてシンボル的な存在となっており、地元住民の方々も大変喜ばれている。JR以外でも無人駅が増える中、しなの鉄道との共創による駅一体局は、横展開が期待されるものだ。
新潟県越後上田郵便局では、空きスペースを活用したローソンの移動販売サービスが2年前から行われている。買い物支援は地域によって基盤となるスーパー等の状況や地理的な課題などもあるが、地元のニーズを拾いながら「おたがいマーケット」のような施策ができるか、知恵を出していかなくてはいけない。
――両県知事とも意見交換を重ねていらっしゃいますね。
丸山理事 先日も、阿部守一長野県知事と懇談する機会があった。防災について、山あい、谷あいが多い長野県でも大規模災害が起こりうると、非常に危機感を持たれていた。取っ掛かりとして、県内の郵便ポストに防災等の情報ページに飛ぶQRコード付きステッカーの貼付を行うことで合意し、準備を進めている。
その他、荷物の再配達防止に向けた置き配バッグ「OKIPPA」のPRや、郵便配達の在り方などについても意見を交わした。ご期待に応えられるよう取り組んでいきたい。
――全特の専門委員会のご担当や、郵便局に求められるものは。
丸山理事 「事業改革・営業推進」「人事制度・人材育成」の主任理事、「集配マネジメント統合」の理事を務めている。営業推進では、お客さま情報の取り扱いの関係があるが、現場が営業マインドを失わず、適正に営業できる体制を確立していきたい。
現在では、要員不足が深刻な問題となっているが、業務のDX化をどう図っていくのか、また、「お客さまとの接点を増やす」「お客さまに喜んでいただく」ために、どうするべきかという方向に目線を向けていくべきだと思う。
仕事をこなせればいいというのではなく、郵便局に求められるのは地域の方々との触れ合いであり、地域に寄り添うことだ。局長さんの個性を輝かせ、その地域ならではの郵便局としてお客さまと共に歩むことが、郵便局の生きる道だと思う。