日本郵政グループ 新しいかんぽ営業体制構築へ

2021.10.23

 日本郵政グループは「新しいかんぽ営業体制」を構築する。2022(令和4)年4月から渉外社員が保障性商品等、専門性の高いかんぽ生命の保険商品とアフラックのがん保険を中心に、郵便局窓口は投資信託や貯金業務を受け持つほか、変額年金・引受条件緩和型医療保険・自動車保険・JP生活サポート保険等の提携金融商品を扱う役割分担を明確化。混乱を防ぐルール作りも進める。多様化するニーズにきめ細やかな対応と同時に、完全民営化後もグループ一体のビジネスモデル構築を目的とする。一方、日本郵便とゆうちょ銀行は投資信託の取扱局の最適配置を含めて検討する方針。

渉外社員と郵便局窓口の役割分担明確化

 来年4月以降は日本郵便の渉外社員約1万2000人が、かんぽ生命に兼務出向するため、1月からは準備が進められる。併せて内勤社員も一部兼務出向する。訪問営業を行う現在の活動拠点2061局は1月から段階的に623局に集約。集約は、かんぽ生命の指揮・命令系統確立を目指すもので、場合により2人ぐらいの管理者を配置する。活動拠点集約化により担当者が変更になる顧客には10月以降順次、訪問や郵送で知らせていく。
 ただし、拠点集約化は郵便局数を変えるものでは一切なく、郵便局の取扱業務に変更はない。かんぽ生命に係る保険金請求手続き等もこれまで通り扱う。
 日本郵便は「担当制導入は、複数商品に加入されるお客さまが複数の郵便局からPRやフォローアップされ、A局から、B局からその都度バラバラに案内を行っていた。保険商品は1人のお客さまに定期的に補償内容を説明しなければいけないが、あいまいだった」と説明した。
 かんぽ生命は10月から法人を中心に「従業員の退職までの保障を準備したい」ニーズに応えようと普通養老保険を改定した「新フリープラン」の取り扱いを開始。日本郵便と共に改定内容や「新しいかんぽ営業体制」に向けた「お客さま本位」の営業の進め方等の研修を実施している。
 日本郵便は4月からがん保険を含め、社員に顧客ニーズを確認しながら、提携金融商品の情報提供や提案を実施。10月以降も営業活動を通じた顧客との信頼関係構築に努めていく。
 かんぽ生命の「新フリープラン」は、これまで35歳以下は加入できなかった普通養老保険の加入年齢を大幅に引き下げ、「満15歳」からとしたことで、社会人となった時点ですぐに加入が可能。定年延長が取りざたされる中、退職年齢が65歳や70歳に引き上げられても保険期間が長期のため、法人は従業員全員の普通養老保険の加入が可能となり、従業員を守ることができる。

日本郵便×ゆうちょ 投信取扱局さらに検討

 日本郵便とかんぽ生命は9月から改定内容を文書での通達のほか、ZOOMなどのオンライン等で「制度改正講習会」を実施している。「新フリープラン」は、個人契約をメインとする郵便局窓口で積極的に案内する場面は限られることが想定されているが、退職金準備を求める法人ニーズに幅広く応えることが可能となった。かんぽ生命は当面、他の新商品の予定はないが、来年4月に向けて顧客ニーズに応えられる商品開発を進めている。
 一方、ゆうちょ銀行は委託元として資産運用商品やデジタルサービス等の知識充足を目的にグループ社員向けの研修等を実施しているが、新型コロナの流行もあり、研修の半数以上はリモートで行われてきた。郵便局で取り扱う他の商品同様、投資信託もさらにスムーズに案内ができるよう、投信取扱局の最適な配置を含めて検討していく。
 今年4月から日本郵政グループは、信頼回復のお詫び行脚から一歩進んだ営業を再開し、営業目標等の体系見直しとマネジメントの変革に取組んでいる。2021(令和3)年度は営業目標を設定せず、「活動目標」を設け、結果でなく、活動プロセスを評価する項目を設けながら営業活動が進められてきた。社員の活動プロセスに着目し、社員を支援し、活動を後押しするマネジメントの変革にも取り組んでいる。